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  住宅防火対策(高齢者等の安全対策)について (総務省消防庁予防課)




  住宅火災の実態(平成13年中)


住宅火災による死者の半数以上が高齢者

住宅火災による死者数(放火自殺者などを除く)は923人であり、このうち65歳以上の高齢者は511人(55.4%)と半数以上を占めています。

たばこを発火源とした火災による死者が22.9%

発火源別にみると、たばこによるものが211人(全体の22.9%)で最も多く、次いでストーブ124人(同13.4%)、こんろ57人(同6.2%)となっており、これらを合わせると住宅火災による死者923人42.5%を占めています。65歳以上の高齢者についてもたばこ、ストーブ及びこんろを発火源とした火災による死者が多く、65歳以上の高齢者の死者数の45.4%を占めています。

寝具類、衣服に着火した火災での死者が多い

着火物(発火源から最初に着火した物)別にみると、寝具類及び衣類に着火した火災による死者が265人で、死者数923人28.7%を占めています。65歳以上の高齢者についても寝具類及び衣類に着火した火災による死者が多く、65歳以上の高齢者の死者数511人31.5%を占めています。

死者の46.0%が就寝時間帯

時間帯別にみると、就寝時間帯である22時から翌朝6時までの間の死者が425人であり、住宅火災の死者923人46.0%を占めています。

木造住宅における死者が70.0%と圧倒的に多い

建物構造別にみると、木造建築物における死者が646人であり、住宅火災の死者923人70.0%を占めています。65歳以上の高齢者についても住宅火災の死者511人74.6%(381人)を占めています。

逃げ遅れによる死者が68.0%と圧倒的に多い

死に至った経過の発生状況別にみると、逃げ遅れが628人(全体の68.0%)と最も多く、次いで着衣着火が69人(同7.5%)、出火後再進入が18人(同2.0%)の順となっています。

これらのことから、高齢者が、木造住宅で、たばこやストーブの火が布団に着火し、逃げ遅れて犠牲となるという住宅火災のパターンが想定されます。
高齢者は、人によって程度の差はありますが、身体の衰えにより行動能力が低下し、さらに、病気や身体不自由などの条件が重なった場合には、火災が発生した際の自力避難が非常に困難となります。
このため、以下のような、火災の発生の未然防止、火災の拡大防止、火災の早期発見、火災を早く消す、避難経路の確保などの居住環境におけるきめ細やかな防火安全対策が必要です。