リーダーシップに関する研究によれば、一般にリーダーシップという機能は、目標達成や課題解決を指向したP機能(performance、目標達成)と、集団の維持を指向したM機能(maintenance、人間関係の維持)の大きな2つの概念によって類型化されます。実験室における研究や現場調査によれば、リーダーがこれら2つの機能のどちらを優先するかによって集団の性格や行動は影響を受けるといわれています。
また、これら両機能の効果は、集団全体の構造によっても異なりますし、状況によって有効とされるリーダーシップの型も異なります。ただ目標達成機能、人間関係維持機能を兼ね備えたリーダーシップの型が最も集団の行動能力が高まり、その両機能ともに弱い型では最も集団の行動能力は低くなるという結果があらわれています。
婦人防火クラブがかかわる活動は、活動内容や計画の策定から日常的な人間関係の調整など多彩な側面があり、さらに日常活動場面のみならず緊急時の活動場面も想定しなければならないとなると、リーダーシップのあり方としてはぜひこの両機能を意識し備えるべきだということになるでしょう。ただし、ひとりの人間の性格を考えると得手不得手もあり、必ずしも両機能を十分に発揮させられない場面も想定されます。したがって、そうした場合には、この両機能を集団の中でうまく発揮させられるように、自分の弱点をカバーできるサブリーダーと密接に連携を取り合って集団運営を進め、リーダーシップを発揮していくような工夫も必要になります。
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