災害時、自分たちのおかれている状況がわからない住民は、不安感の中で被害や避難生活に関する様々な情報を求めます。土砂崩れなど、まだ危険度を認識していない住民に対する情報連絡もあります。一方で外部に対して、地域の被災状況やニーズを的確に伝え、支援をあおぐ必要が出てきます。そして、適切な情報の収集・連絡が行われないと、速やかな避難行動や、外部からの支援を求めることができなくなってしまいます。
阪神・淡路大震災においても、自治会等がしっかりしていて行政との連絡が密だったところでは、食べ物や救援物資等の入手・配布など、地域での救援活動の立ち上がりがスムーズであったといわれています。また、マスコミなどに取り上げられた避難所には多くの救援物資が届き、一方で小さな集会所や公園などで自然発生的にできた避難所については、発災当初は行政もその実態をつかむことができず、食料・物資などがうまく行き渡らなかった現実があります。
そこで、被災状況、津波や土砂崩れなどの予報・警報、ライフライン(電気・ガス・水道・電話など)の復旧の見通し、避難の勧告・指示、救援活動の状況、救援物資の配給、衛生上の注意などといった<災害情報>を、自主防災組織などと連携した婦人防火クラブのメンバーが、うまく収集・連絡できるようにしておくことが重要となります。
また、災害の状況・時間の経過によって、収集すべき情報・伝えるべき情報の種類はどんどんと変化していきます。たとえば、災害直後は被害や緊急救助・救援、安否確認に関する情報が大半を占めると考えられますが、時間がたつにつれ、医療、福祉、生活再建などの多様な生活情報が求められてきます。状況の変化に対して、柔軟な姿勢で情報を扱うようにしましょう。
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