地域における、防災・救援活動においては総合的な視点が不可欠ですが、行政・学校・消防・福祉・医療等の各関係機関の連携が十分でなく、また地域サイドでも、自主防災会(自治会・町内会が基盤)・PTA・ボランティアなどの住民・市民間の連携が取れていない場合が多く見受けられます。練馬区の取り組みで注目されるのは、この行政内・地域組織間の垣根を取り払っていく努力が意識的になされている点です。
第一に、避難拠点および避難拠点運営連絡会を立ち上げていく過程で、防災課と教育委員会が一年半近くの時間をかけて十分な話し合いを行っていることが挙げられます。これによって、学校・地域がともに防災活動に取り組むことができるしっかりとした支援体制ができ、より実践的な防災訓練・防災教育に踏み出すことを可能としています。
第二に、避難拠点運営連絡会の結成を通じて、バラバラに活動を行っていた個々の防災会、PTA、そして区の協定団体等が、避難拠点を軸として協働し、学校・地域の子どもを巻き込みながら、独自の展開をする事例が出てきていることが挙げられます。地域組織間・世代間の垣根を越えての取り組みは、地域防災における実践性を高めるとともに、子ども・大人がともに地域の一員として心豊かに成長できる場となっていると言えます。
個々の避難拠点運営連絡会によって、活動の形態やその活動が活発かどうかには若干の差があるようですが、103校のうち少なくとも7割近くでいろいろな活動が活発に行われているということです。
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