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8-2 発災対応型防災訓練の試み



[事例1] Y小学校避難拠点
地元の単一町会を基盤とした防災会がありましたが、活動があまり活発ではありませんでした。そこでPTAが、子どもと一緒に両親も参加が可能な土曜日に「役立つ防災体験」というイベントを企画し、消防署・消防団・区役所が協力して、消火器・消火ポンプ体験、仮設トイレ組み立て訓練、備蓄庫見学、救助犬見学、はしご車体験など、さながら「地域の総合防災訓練」といった形のイベントが行われました。これが地域への刺激となって、現在では防災会を含む避難拠点運営連絡会の会合が自主的・継続的に行われています。
[事例2] O中学校避難拠点
O中学校では、1998年に避難拠点ができ、1999年に医療救護所立ち上げ訓練を実施、2002年には、練馬区・東京都合同総合防災訓練の一環として再度医療救護所立ち上げ訓練を実施、地域ボランティア・消防関係者・医療関係者・一般参加者など900人近くが参加しています。こういった活動を通して、暫定的に4階に置かれていた防災備蓄品を1階に移動するよう、避難拠点運営連絡会として学校に要請・実現し、また、体育館を医療救護所として設定し、模擬患者を後方搬送しようとしたところ、道路から校庭に入る校門の傾斜がきつくて進入できず、体育館から校門まで担架搬送をしたことから、スロープの補修も要請、給水車や救援物資を運搬するトラックも入ることができるようになったということです。
[事例3] T小学校防災教室
総合的な学習の時間の本格的な実施に伴って、T小学校では「地域ぐるみの学校づくり」を柱とし、「防災教室」を実施しました。「天気図の見方と都市型水害」「災害時のボランティア活動」「交流会・ありがとうコンサート」と連続した形式を取りました。地域の災害特性に即しつつ理科の授業とも絡めて実感として「感じる」学習、災害救援の実践活動事例を通した「考える」学習、そして年間を通して、防災教室のゲストティーチャー、そして福祉活動などでかかわってくれた地域の方々との交流・ありがとうコンサートを通した「かかわる」学習へと取り組むことで、子どもたちは、福祉・防災という、暮らしと命にかかわる大切な問題について、地域内外の大人たちとのかかわりの中で学びました。そして、他者とのかかわりの中で、地域で、ともに生きることの意味について考え、実感することができたようです。
災害救助犬の活動を通して命の大切さを知る
災害救助犬の活動を通して命の大切さを知る
子どもたちもバケツリレーに挑戦
子どもたちもバケツリレーに挑戦
【参考資料】
・ヒアリング
・第2回安全・安心まちづくりワークショップ分科会資料集(2003年)