本章では、第2章から第7章で述べてきた個別ジャンルの訓練を、どのように組み合わせて実際の訓練を行っていったらよいか考えていきます。この〈訓練の総合化〉は、単なる訓練の組み合わせではなく、より臨場感のある舞台の設定とそこでの応用力や実践力を問う訓練への試みでもあります。
大規模災害時には、死者の発生も想定した救出救助活動を含む、緊迫しかつ混乱した事態が予想されます。そのなかで適切な活動をするには、同様の事態を想定した訓練を十分にしておくことが必須です。また、応急時には、被災状況とその後の変化を敏感に読み、状況の変化を先取りするかたちで、多くの事柄に配慮しながら迅速に対処していかなければなりません。〈訓練の総合化〉は、まさにそうした事態を想定した訓練をねらっているといえます。
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