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1-1 婦人防火クラブの意義と一般的活動



毎年の火災統計が示しているように、すべての火災の約6割が建物火災で起こっています。そして、火災による死者総数の6割以上が建物火災によるものであり、そのうちの半数以上を住宅火災が占めています。このことから、住宅火災を減少させることがいかに必要であり大事なことであるかがわかると思います。そのために、各地域の消防本部や消防団などが日頃から火災予防活動などに努力を重ねておりますが、公的機関だけでなく地域の住民も一体となって火災の減少に力を尽くしていく必要があることはいうまでもありません。

家庭防火という観点から見れば、常日頃、家庭で火気を取り扱う機会の多い婦人の果たす役割は極めて大きいと思います。基本的には、個人の責任において防火の意識を高めることが大切ですが、地域の婦人の方々が共同して一緒に防火に関する知識を学び、議論をし、地域活動をすることとすれば、より効果的な成果が得られるはずです。

そうしたことから、全国の各地域に婦人防火クラブが結成されるようになったわけです。

家庭防火

このように婦人防火クラブは、一般的には家庭防火のための活動をすることを第一義的なねらいとしています。

具体的には、火災予防の知識の習得、地域住民に対する防火啓発、初期消火の訓練というような家庭防火に役立つ活動が中心となっています。

しかし、各クラブの活動実態は千差万別です。単に家庭防火だけにとどまるクラブもその活動実態には大小の濃淡があります。また、家庭防火だけではなく防火・防災のための幅広い実践活動や災害時の後方支援活動まで行っているクラブもありますし、さらには身体的弱者のための介護などの福祉活動まで及んでいるクラブもみられます。

婦人防火クラブの活動範囲にそうした相当の幅があるのは事実ですが、いずれのクラブも少なからず地域の防火・防災のために貢献し、安全な地域社会の実現に寄与していることは疑いなく、それ自体は大いに評価されてよいものと思われます。ただ、婦人防火クラブであるからには最低限求められる条件があります。家庭防火の活動を行うことです。それが、婦人防火クラブの活動の基本なのです。