婦人防火クラブは、地域において、家庭防火のための火災予防啓発を推進していくうえで重要な組織です。火災予防のためのさまざまな啓発活動や行事の企画・運営、防火診断など火災にかかわる事柄が日常時の活動の中心になっている関係から、結成に際しては、地区の消防署や消防団と密接な関係をもちながら進められていくことが多いでしょう。
しかしながら、近年では、大災害時における支援活動など、地域の安全や安心を確保するさまざまな活動を進める核として、婦人防火クラブが位置づけられるようになってきており、活動の領域も広がってきています。そうした背景には、大きな災害が日中起こったとき、都市郊外などにおいては、主婦と子供、お年寄りだけが地域に残っているという事態が予想され、災害時における婦人活動の必要性と役割が高まっているからだと思われます。災害の規模が大きければ大きいほど、一方で防災関係機関への需要が一気に高まりますが、他方で、道路の寸断、建物の倒壊・火災、津波、断水、電力供給の停止などの阻害要因も加わって、防災関連機関の活動力は弱くなっていきます。婦人防火クラブは、そのような場合の地域の被害を防止・軽減するために、欠くことのできない重要な組織になります。このように、今後は、家庭防火という側面のみならず、地域の自主防災活動を担う集団としても、婦人防火クラブは重要な役割を担っていくと思われます。
婦人防火クラブの組織づくりには、既存の組織を活用する場合と、新たに組織を結成する場合とがあります。
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