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3-1 婦人防火クラブをつくるには



婦人防火クラブ

婦人防火クラブは、地域において、家庭防火のための火災予防啓発を推進していくうえで重要な組織です。火災予防のためのさまざまな啓発活動や行事の企画・運営、防火診断など火災にかかわる事柄が日常時の活動の中心になっている関係から、結成に際しては、地区の消防署や消防団と密接な関係をもちながら進められていくことが多いでしょう。

しかしながら、近年では、大災害時における支援活動など、地域の安全や安心を確保するさまざまな活動を進める核として、婦人防火クラブが位置づけられるようになってきており、活動の領域も広がってきています。そうした背景には、大きな災害が日中起こったとき、都市郊外などにおいては、主婦と子供、お年寄りだけが地域に残っているという事態が予想され、災害時における婦人活動の必要性と役割が高まっているからだと思われます。災害の規模が大きければ大きいほど、一方で防災関係機関への需要が一気に高まりますが、他方で、道路の寸断、建物の倒壊・火災、津波、断水、電力供給の停止などの阻害要因も加わって、防災関連機関の活動力は弱くなっていきます。婦人防火クラブは、そのような場合の地域の被害を防止・軽減するために、欠くことのできない重要な組織になります。このように、今後は、家庭防火という側面のみならず、地域の自主防災活動を担う集団としても、婦人防火クラブは重要な役割を担っていくと思われます。

婦人防火クラブの組織づくりには、既存の組織を活用する場合と、新たに組織を結成する場合とがあります。


1 すでにある集団を活用する場合

すでに地域内で日頃さまざまな活動をしている集団を利用して、婦人防火クラブをつくる方法です。婦人防火クラブの場合は、そのほとんどが地区婦人会や町内会婦人部などが母体になると予想されます。この方法では、すでに組織ができあがっているため、新しく婦人防火クラブを発足させるのに比べて、組織づくりにかかる時間が短くてすみ、早くにその活動に取り組むことができる、長期にわたる活動計画も立てやすいという長所があります。

結成にあたっては、消防署などの関係機関と密に連絡を取り合うことはもちろんですが、地域内の町内会や自主防災組織にもよく理解を求め、地域内の学校、商店会、医療機関、老人会などにも協力を呼びかけるようにします。

集団を活用する