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4-1 婦人防災クラブとしての一般的活動内容




事例紹介 地域の大切な消火栓を保守管理(和歌山県海南市・冷水(しみず)婦人防火クラブ)


住民運動で消火栓設置を実現

冷水婦人防火クラブがある冷水地区は、和歌山県海南市の西部に位置し、地区の前面は海南港に面し、また背後に藤白山系があり、その中心を東西に国道が通っています。さらにJR紀勢本線が併行するという、東西に長く延びた地域に約300世帯の家屋が密集している地域です。
二十数年前、地区内の消防水利は、旧国道に防火水槽2基が整備されている程度で、地域のあるJR紀勢本線と国道との間は、消防水利が皆無であったため、冷水地区民をあげて「安全で安心して住める防災運動」を展開することになりました。漁港街で漁師さんが多く、昼間は男手が少ないことから、女性でも簡単に扱える軽可搬ポンプが使用できるようにと、自分たちで消火栓を設置することにしました。この地域の特徴を生かした作戦が練られ、昭和53年12月25日、藤白山の中腹の通称グレラ池(貯水量486t)を水源にし、落差約95mの水圧を活用することとし、消火用配水管(2インチ半の鉄製配管577m)を敷設、同時に私設消火栓を7箇所に設置しました。また、ホース格納箱と筒先、ホース2〜3本を保有しました。
敷設にあたって、市内に所在する住友金属工業(株)に対し、地区長・地区消防分団長・婦人防火クラブが一丸となってパイプの寄贈をお願いした結果、無償提供され、パイプ敷設・消火栓の設置については地区住民の災害対策に万全を期するため、地元関係者(区民、消防団員)と協力して工事を行い、事業をなしとげました。

実際の火災時には効果を発揮

この私設消火栓(購入費用は区民が負担)が非常に役立ったのは、昭和62年2月の住宅火災、平成7年1月に住宅火災が発生したときです。これらの消火栓がその効果を発揮、火災の類焼災害から住民を守ることができました。
現在、その維持管理については、地元消防の分団員はもちろんのこと、冷水地区婦人防火クラブとしても、各消火栓の保守のため、1〜2か月に1回は見回り・点検、周辺の草刈りなどを実施するなどの活動を行っています。
山腹の貯水池から延びる配水管 集落の中に設置された消火栓