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4-2 日常生活の場面からの広がりを意識した活動




1 日常生活の中に活動を位置づける意義

最近の火災統計では、住宅火災による死者数の多さが目立っており、住民自身が初期消火に努めることの重要性が強く指摘されております。実際、阪神・淡路大震災の被災地でも、初期消火に成功した地域と、消火できずに延焼拡大につながった地域とでは、その被害の差は歴然としていました

その意味でも、防火(防災)対策は、普段の生活の文脈に沿って考えていく必要があります。逆に、防火(防災)のためだけの特別な対策を講じたり、特別な活動をさせたりしても、継続的な取り組みとして定着しにくいことも考えられます。実効性を確保していくためにも、平常時に役立つ活動が、そのまま火災予防や出火直後の対応にも生かせるようにすることが望ましいでしょう。

そこで以下では、婦人防火クラブの主な担い手である「主婦」の視点から、防火(防災)のための活動を、自分たちの日常生活の中にどのように組み込んでいくことができるのか、適宜、コラムや事例を参照しながら考えていきたいと思います。


2 家庭生活における取り組み

学習会
1,研修会・学習会などの開催(一般住民を対象としたもの)
家庭生活において、とりわけ火の元になりやすい炊事・暖房器具などを扱う主婦は、これらの火災リスクについて知っておく必要があります。したがって、こうした知識を個々人が習得し、さらに主婦の間で知識を共有していく機会を提供する「場」として、研修会や学習会を開催することが重要な意味をもつといえます。
ここでいう学習会は、一般住民を対象とした婦人防火クラブ主催の防火・防災に関する学習会などで、これらを開催することで地域住民に受け入れられ、あるいは自治会・町内会などで支援・協力してもらえることが考えられます
【研修会の内容】
○屋内で火元となる炊事・暖房、その他の家電製品に関する取り扱い上の留意点
→思いもかけない出火事例の紹介。特に技術革新により新たな家電が導入されたことに伴う火災リスク事例、水入りのペットボトルからの引火事例などに関する情報提供、及び対応策の教示。
○地震などの災害発生時の対応、及び平常時におけるそれへの備え(→「防火・防災のための講演会・研修会」 参照)