地域の安全・安心をめざす住民活動は、地域住民の防火・防災意識を高めるという点では、さらに今後も充実させていく必要がありますが、そうした住民活動を担う組織自体は、従来往々にしてもっていた組織の性格のゆえに、現在では多くの問題を内包しております。婦人防火クラブもその例外ではありません。
それらの問題のいくつかをあげてみると、1つは、これらの組織が従来、初期消火や避難などの<緊急時の対応>を目標にして活動が組み立てられてきた傾向が強いということです。しかし、住民活動の側からみると、防火・防災が生活の中での特殊な領域になればなるほど、日常生活から遊離したものにみえてしまいます。
一般の住民は、日常生活の中で生じるさまざまな生活問題や課題を通じて、そのひとつの側面として防火や防災も考えるということだと思います。
したがって、今後は、こうした日常感覚を大事にしながら、そこで起こるさまざまな生活問題を視野に入れた活動を展開し、その中にきちんと安全や安心の要素を位置づけていくということが望まれます。このリーダーマニュアルで示した基本的考え方は、より日常生活に近い感覚から安全で安心できる生活環境をつくっていくことです。
その点では、婦人防火クラブにも、日常時における(地域)危険箇所の点検から生活環境改善、高齢者・障害者などの日常的な介護や福祉まで視野に入れた活動が必要とされており、意識的にそうした地域内にあるさまざまな活動団体と連携することが大切です。
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