2つ目は、従来、自主防災というイメージのゆえに、地域内の危険に対処し地域住民のみを対象にした地域内に閉ざされた活動という性格が非常に強かったということです。実際には住民の日常生活は、通勤通学などすでに広範な範域で営まれています。大都市において顕著な帰宅難民問題もそうしたところから起こってくる現象です。
したがって今後は、日常時における地域外の防災活動団体との多様な連携や関係の構築(相互支援活動や交流の活性化)、通勤者を含めた住民以外の関係者との連絡調整、地域内外のさまざまなボランティア活動団体との活動交流など、より開かれた活動の展開が期待されると思います。
3つ目は、自主防災活動の理念や志向性という点で、より生活圏が広域化した都市生活の実態や住民ニーズにあった活動理念や志向性を再構築していくことの必要性についてです。ローカルな住民活動そのものが、現代社会の変容の中で、理念や志向性を含めて活動の見直しを迫られているということだと思います。
他の地域づくり活動との連携というのは、そうした理念や志向性を見直していく貴重な機会を提供してくれるとともに、婦人防火クラブの活動がより社会に開かれ、変化に柔軟に対応していけるような活動組織への脱皮の機会も提供してくれるでしょう。 |