1 総出火件数は、48,028件、前年同期より3,839件の増加
平成25年(1月~ 12月)における総出火件数は、48,028件で、前年同期より3,839件増加(8.7%)しています。
これは、おおよそ1日あたり132件、11分ごとに1件の火災が発生したことになります。
また、火災種別でみますと、次表のとおりです。
平成25年(1月~12月)における火災種別出火件数
種別 | 件数 | 構成比(%) | 前年同期比 | 増減率(%) |
---|---|---|---|---|
建物火災 | 25,015 | 52.1% | ▲568 | -2.2% |
車両火災 | 4,575 | 9.5% | 26 | 0.6% |
林野火災 | 2,015 | 4.2% | 837 | 71.1% |
船舶火災 | 91 | 0.2% | 4 | 4.6% |
航空機火災 | 3 | 0.0% | 2 | 200.0% |
その他火災 | 16,329 | 34.0% | 3,538 | 27.7% |
総火災件数 | 48,028 | 100% | 3,839 | 8.7% |
2 総死者数は、1,616人、前年同期より105人の減少
火災による総死者数は、1,616人で、前年同期より105人減少(-6.1%)しています。
また、火災による負傷者は、6,826人で、前年同期と同数となっています。
3 住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)数は、992人、前年同期より24人の減少
建物火災における死者1,250人のうち住宅(一般住宅、共同住宅及び併用住宅)火災における死者は、1,093人であり、さらにそこから放火自殺者等を除くと、992人で、前年同期より24人減少(-2.4%)しています。
なお、建物火災の死者に占める住宅火災の死者の割合は、87.4%で、出火件数の割合54.3%と比較して非常に高いものとなっています。
4 住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)の約7割が高齢
住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)992人のうち、65歳以上の高齢者は698人(70.4%)で、前年同期より21人増加(3.1%)しています。
また、住宅火災における死者の発生した経過別死者数を、前年同期と比較しますと、逃げ遅れ548人(25人の減・-4.4%)、着衣着火56人(9人の減・-13.8%)、出火後再進入19人( 前年同)、その他369人(10人の増・+2.8%)となっています。
5 出火原因の第1位は、「放火」、続いて「たき火」
総出火件数の48,028件を出火原因別にみると、「放火」5,033件(10.5%)、「たばこ」4,439件(9.2%)、「たき火」3,728件(7.8%)、「こんろ」3,705件(7.7%)、「放火の疑い」3,694件(7.7%)の順となっています。
6 住宅防火対策への取組み
平成16年6月の消防法改正により、全住宅の寝室等に住宅用火災警報器の設置が義務付けられました。新築住宅については平成18年6月1日から、既存在宅についても市町村条例の規定により順次義務化され、平成23年6月1日までに全ての市町村で義務化されました。
消防庁では、平成20年12月の住宅用火災警報器設置推進会議において決定された「住宅用火災警報器設置推進基本方針」に基づき、報道機関や広報誌等と連携した広報の実施や消防団、婦人(女性)防火クラブ、自主防火組織等と連携した普及・啓発活動等により住宅用火災警報器の早期設置の促進等を図ってきたところですが、平成23年6月にすべての住宅で義務化を迎えたことから、住宅用火災警報器設置推進会議を平成23年9月に「住宅用火災警報器設置対策会議」とし、未だに住宅用火災警報器を設置していない世帯への対策を打ち出すとともに、既に設置している世帯への維持管理を周知することで住宅用火災警報器の設置定着を図っています。
また、広報、普及・啓発活動として住宅防火防災推進シンポジウムを平成25年度は全国9ヵ所で開催したほか、住宅防火・防災キャンペーンや春・秋の全国火災予防運動等の機会をとらえ、報道機関や消防機関等と連携した普及啓発活動を行い、住宅用火災警報器のほか、防炎品、住宅用消火器等による総合的な住宅防火対策を推進しています。
7 放火火災防止への取組み
放火及び放火の疑いによる火災は、8,727件、総火災件数の18.2%を占めています。
消防庁では、春・秋の全国火災予防運動において放火防止対策に積極的に取り組むよう消防機関に通知し、全国で放火火災防止対策戦略プランに基づきチェックリストを活用した自己評価による「放火されない環境づくり」を目指した取組みが進められています。
8 林野火災防止への取組み
林野火災の件数は、2,015件で、前年同期より837件増加(71.1%)し、延べ焼損面積は約967.7haで、前年同期より約595.8ha増加(160.2%)しています。
例年、空気が乾燥する春先に林野火災が多発していることから、平成26年も「林野火災に対する警戒の強化について(平成26年1月16日消防特第3号)」を各都道府県等へ発出し、入山者や林業関係者等に対する林野火災予防の徹底・警戒強化やヘリコプターによる空中消火の積極的な活用等について周知しました。
また、毎年、林野庁と共同で火災予防意識の啓発を図り、予防対策強化等のため、春季全国火災予防運動期間中の3月1日から7日までを全国山火事予防運動の実施期間とし、平成26年は「守りたい 森の輝き 防火の心」という統一標語のもと、様々な広報活動を通じて山火事の予防を呼びかけました。
(総務省消防庁「消防の動き」2014年5月号より)