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2019年5月

4.【婦防活動】千葉県で婦人防火研修会を開催

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平成30年度婦人防火研修会を終えて
千葉県婦人防火クラブ連絡協議会
会長 竹内 久子


大寒が過ぎた1月25日、千葉県消防学校講堂に県下各地から女性防火クラブ員をはじめ消防防災関係者多数のご参集を頂き、平成30年度の研修会が開催されました。
 恒例となりました当研修会は、昭和61年以来、回を重ねること今年は33回目を迎えることになりました。
 これも偏に千葉県消防・防災関係者皆様方のご協力の賜物と心より御礼申し上げます。
 初めに開会に当たり、主催者を代表し千葉県少年婦人防火委員会の石橋 毅会長と千葉県婦人防火クラブ連絡協議会の竹内久子会長からご挨拶申し上げ、次いで来賓の県消防学校長淡路武夫様のご紹介に続き、(一財)日本防火・防災協会長秋本敏文様からの祝電が披露されました。

Ⅰ 講 話  「住宅防火対策について」
 私からのお話した要旨は以下の通り

 1 「平成30年版消防白書」(平成30年6月1日時点)について

  • 住宅火災件数(放火を除く)は、10,489件(前年比34件減)
  • 同死者数(放火・自殺者を除く)は、889人(前年比4人増)
  • 平成18年6月1日から新築住宅で住宅用火災警報器(以下「住警器」)が義務化して以来、住宅火災の発生件数は減少しており、その効果は明白である。
  • 一方、住宅火災死者数の内、65歳以上の高齢者が占める割合をみると増加傾向である。
  • 住宅火災の死に至った885人の経過をみると逃げ遅れが440人、49.7%を占める(平成28年中)。

 2 住警器について

(1)住警器の設置率等

  • ① 住警器の全国平均設置率は81.6%、全国条例適合率は66.5%
    (平成30年6月1日現在、総務省消防庁調査)
  • ②千葉県の平均設置率78.6%は全国平均に及ばず全国順位は31位、条例適合率62.7%、全国順位32位(1位の福井県は95.1%、条例適合率85.7%)
  • ③ 因みに米国における火災警報器の設置率は96%で日本国1位の福井県より高い。

(2)維持管理  定期的な作動確認点検ボタン等により定期的に作動確認が必要。
 特に、設置から10年以上経過しているものは本体の交換が推奨される。

3 住宅防火対策のポイント
 逃げ遅れを防ぐために「住警器」を設置するとともに、寝具・衣類及びカーテンからの火災を防ぐため防炎品を使用する。
 終わりに婦人(女性)防火クラブ員、自主防災組織、消防防災関係者が一丸となって住警器や防災品の普及促進、住警器メンテナンスになお一層のご尽力をいただくようお願いしました。

Ⅱ 活動内容の発表

続いて市川市婦人消防クラブの安藤千枝子会長から活動内容の発表がありました。
(1) 市川市の現況 
(2) 市川市婦人消防クラブの活動目的と活動内容
(3) 総会・役員会 
(4) 支部長以上会議
(5) その他の活動内容として
①市川市防災訓練・婦人消防クラブ総合訓練 ②市内外視察研修 ③防災講演会 ④市民祭りで住宅用火災警報器の設置の呼びかけ・「ひまわり音頭」の披露 ⑤応急手当普及員再講習・救急広場 ⑥救命講習 ⑦いすみ市東婦人防火クラブとの交流会 ⑧消防出初式・文化財防火デー ⑨防火防犯パトロール、その他地域の行事等を通し火災防止に努めた旨の報告がありました。

Ⅲ 講演

「いつもの暮らしの中でできる防災」
 (公財)市民防災研究所理事の池上三喜子先生にご講演いただきました。
 池上先生は東京都総務局において女性視点の防災ブック編集に携われ「東京くらし防災」の刊行にご協力されました。
 本日のご講演は、この冊子に沿って分かりやすくご説明頂きました。

  • ①外出先では、非常口や階段、広い 道路など避難ルートの確認を。
  • ②カーテンは閉めて寝ると、割れたガラスの飛散防止の効果がある。
  • ③食器を重ねるときは、下から中・大・小の順に重ねる。
  • ④包丁は使ったらすぐにしまう。
  • ⑤寝転んで地震の揺れで倒れたり、落ちてくる危険を探してみる。
  • ⑥食器・飲料・その他生活用品等は多めに買い置きする。
  • ⑦普段からこまめにトイレは済ませておく。
  • ⑧生理用品はもう一周期分買っておくと安心。
  • ⑨家族間で災害時の集合場所を決めておく。
  • ⑩公衆電話の使い方を知らない子供には使い方を教えておく。
  • ⑪地域の行事に参加し、ご近所顔見知りを作っておく。
  • ⑫災害時のペットの預け先を探しておく。
  • ⑬赤ちゃんに必要なママバックは使った分だけ足しておく。
  • ⑭チョコレートやキャラメルをカバンの中に入れておく。
  • ⑮安全性が高い外出スタイルと妊娠中の外出に必要なアイテムは安全性が高い。マタニティマークや母子健康手帳などもバックに入れておきたい。

以上のほかにも、女性の視点に立って記述された「東京くらし防災」の一読をお勧めします。
 次に、災害時の備蓄への利用や育児負担の軽減につながる乳児用液体ミルクへの期待のほか、糸魚川市の大火の教訓、東日本大震災の津波で被災した福島県新地町を訪問し、被災者との繋がりの大切さを痛感したこと。さらに防災活動として表彰された多くの事例などのお話を頂きました。
 終わりに、防災で最も大事なことは命を守ること。
 毎日の行動や習慣にちょっとした工夫や発想を加えるだけで防災が始まります。
 本日のテキストを参考に災害への万全な備えを期待します。

研修終了後、参加者からは

  • ・本県における住宅用火災警報器の普及率の向上に更なる努力の必要性を痛感しました。
  • ・市川市婦人消防クラブの積極的で幅広い活動は参考になりました。
  • ・ユーモアを交えた池上先生の講演は分かり易く、楽しく勉強できました。
  • ・今回の講演は、女性に視点を置いて頂いたのが良かった。
  • ・日頃からの備えがいかに大切かを痛感しました。

参加者は終始熱心にご聴講頂き、平成30年度千葉県婦人防火研修会は盛会裏に終了しました。
 終わりに開催に当たりご協力をいただきました(一財)日本防火・防災協会・(公財)千葉県消防協会、千葉県消防学校及びご参加いただきました皆様に心から感謝申し上げます。

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