最近の火災では、煙に巻かれて逃げ遅れ窒息するケースや、新建材から出る有毒なガスによる中毒死のケースが目立ちます。実際、平成14年中の放火自殺者を除いた火災による死因は、トップが一酸化炭素中毒*・窒息によるもの(566人、39.9%)となっています。ちなみに、2番目が火傷によるもの(460人、32.4%)です。(『平成15年版消防白書』より)
火災に巻き込まれた際には、煙を極力吸い込まないようにしながら、できる限り冷静に避難路を探す必要があります。しかも、人間は、煙を見ただけで恐怖感を抱くことが実験からも証明されているうえ、停電や煙で視界が利かなくなる場合がありますので、いざというときにあわてないように冷静に行動できるようにすることがもっとも大切です。そこで、スモークマシンをたいた中を歩く「煙体験訓練」を通して、煙の特性を知り、正しい行動方法を体験するようにしましょう。
*一酸化炭素中毒:酸素が足りない中で物が燃え不完全燃焼が起こると、一酸化炭素(CO)が発生し、血液中のヘモグロビンと強く結合して体内の酸素の運搬能力を低下させます。その結果、頭痛・疲労・倦怠感・めまいを引き起こし、意識障害、そして最悪の場合死に至るのです。
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