1989年8月24日午後3時50分頃、東京都江東区南砂の28階建ての超高層マンション(259世帯入居)の、24階の一室から出火。24階の住宅・廊下部分合わせて約160m2を焼き、6人が負傷したものです。出火点の24階は約60mの高さにあり、はしご車が届かなかったため、消火活動は出火階下の23階を拠点として消防資機材を非常用エレベーターで搬送し、建物内部の連結送水管を使用して行われました。延焼がくい止められたこともあって、火災は一区画を焼いたのち、約3時間後に鎮火しましたが、24階より上階では幼児を含む6人が煙によって避難できずに取り残され、レスキュー隊によって救出されています。
これは日本の火災史上、最高階での火災でした。連結送水管、非常用エレベーターなど、防災対策上高層ビルに設置が義務付けられている装置の効果が確認された一方で、法律に基づく消防用設備は完備されていたものの、住居用スプリンクラーが設置されていない、排煙設備・非常放送設備を管理人がうまく使用できなかったなど、多くの問題も明らかになりました。近年ぞくぞくと超高層マンションが建設されていますが、この火災は以後の防災対策に多くの教訓を残したといえます。
|