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8-2 発災対応型防災訓練の試み



訓練を総合化しようとする試みのひとつとして、発災対応型防災訓練が挙げられます。東京都向島消防署管内をはじめとしていくつかの地域では、近年、実践力や応用力を鍛える訓練として、発災対応型防災訓練が行われるようになってきました。ここでは、向島消防署が開発したものを紹介しておきます。

■発災対応型防災訓練の特徴(東京都向島消防署の事例から)
1.住民自らが防災訓練の企画立案をする
2.街のあちこちに、けが人や火災の発生場所をつくることにより、街全体を舞台とする
3.訓練実施場所は、普段生活している街の中であり、発災の合図が居ながらにして聞こえてくるので、構えて参加しなくとも、飛び入りでの参加も可能である
4.訓練資器材は、自宅設置や街頭の消火器、個人の救急箱等身近にあるものなので、より実践的で、かつ防災用品の点検の機会にもなる
5.町会役員等の関係者以外は、当日の火点やけが人発生場所、倒壊家屋設定現場を知らないので、震災直後さながらの実戦的な訓練となる
6.通行障害による迂回訓練や、自分が不案内の地域での消火器集結訓練等、臨機応変な判断が要求される訓練である