8-2
発災対応型防災訓練の試み
8-2 発災対応型防災訓練の試み(1)
8-2 発災対応型防災訓練の試み(3)
資料1
発災対応型防災訓練の概要
町会役員等の訓練企画者
時間
訓練参加者
訓練開始の合図をする。
(例 サイレン吹鳴・爆竹等)
発災時間
10:00
家庭・職場内で
・身体防護訓練
・電気のブレーカーを切り、ガスの元栓をしめる。
避難グッズを携帯し、施錠後一時集合場所を目指す。
以下の想定被害を準備する。
・カーフライヤー(注1)を焚いて多数の火点の表示をする。
(空き地等の広い場所があれば、オイルパンを用いて臨場感を高め、バケツリレー等の標的にする。)
・けがの部位・程度を表示した多数のけが人を街中に発生させる。
(歩行不能としたけが人には必ず企画者サイドの者が付き添い、事故防止のために担架には乗らないように監視する。傍に人形等を置いておき、生身の人間に応急救護を施した後、入れ換える。)
模擬の倒壊家屋を数ヵ所発生させる。廃材の下にはダミー(人形)を置いておく。
・迂回パネルを設置する。
(建物倒壊や道路陥没等を図で表したパネルを設置し、その場所には誘導人員を設置する。)
数分後
↑
こ
の
間
約
30
分
↓
自宅から一時集合場所間で遭遇する訓練事象に対応する。
(参加者は当日までは火点やけが人発生場所等の想定を知らない。)
・火災の場所に遭遇したら
街頭設置や自宅の消火器を集めてくる。それを20秒間、火元に向けて構えることによって1本の消火器が有効に使用されたことにする。1火点に5本の消火器が集まれば、その火点の消火は成功したと見なされる。
・ポリバケツの設置場所に遭遇したら
水バケツリレーを行い、一定時間に一定の水を集める。
・けが人発生場所に遭遇したら
けがの部位・程度に応じた応急手当てを行い、一緒に一時集合場所まで移動する。受傷部位表示カードに「歩行不能」と表示されていれば、町会所有の担架か竹竿と毛布を使った応急担架を作成する。
・倒壊家屋現場に遭遇したら
区役所から配置されている救助資器材を使って、がれきの下の人形を救出する。
・巡回パネルに遭遇したら
一時集合場所までのルートを日常導線とは違ったルートに変更する。
既に作成されている訓練想定地図とは別に白地図を用意し、一時集合場所に貼っておく。
訓練参加者が白地図に記入が終了した時点で、元の想定地図と照合する。(正確な情報伝達の難しさを分からせる。また、早くに集合してきた人を、災害発生場所に応援に向かわせる等の応用訓練を付加しても良い)
一時集合場所に到着したら
シート等を敷き救護所を作り、けが人を一時収容する。
一時集合場所に情報拠点本部としての位置付けをもたせるために途中で遭遇した訓練事象を地図に記入する。
解散パターン1
・発災対応型防災訓練終了後のこの時点で解散する。
(一時集合場所において下記のような集合型訓練を付加する。)
・三角巾を使った応急手当訓練
・水消火器を使った消火訓練
・応急担架の作成訓練
・災害用伝言ダイヤル171訓練
一時集合場所でのオプショナル訓練
・企画者サイドが用意した左の訓練に参加する。
解散パターン2
・一時集合場所での集合型訓練終了後に解散する。
・一時集合場所から拠点小学校までの間の通行障害設定(迂回パネル等の設置)
・避難所開設訓練(簡易トイレの組み立て、炊き出し、無線訓練等)
・レサシアンを使った心肺蘇生法訓練
・防災用品の備蓄倉庫の見学
・他、連合町会員の希望する訓練
連合町会等での合同訓練を希望する場合
(拠点小学校等で行う。)
・各町会が一時集合場所から拠点小学校まで避難訓練を行う。
・企画者サイドが用意した左の訓練に参加する。
解散パターン3
・拠点小学校での集合型訓練終了後に解散する。
広域避難場所までのルート確認訓練を行う場合は、要所において安全確保をする。
広域避難所までの往復
解散パターン4
・広域避難場所までの往復終了後に解散する。
(注1)カーフライヤーとは自動車に搭載が義務付けられている緊急保安炎筒のことである。
(『消防科学と情報』(No.63 2000年冬号)消防科学総合センター 80−81頁より)
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