岐阜県女性防火クラブ運営協議会(会長 杉山洋子)は、災害時に知恵と工夫で生き残る強さを多くの人に身につけてもらおうと、ガスや電気が止まっても、家庭にある空き缶などを使えば簡単にご飯が炊ける「空き缶コンロによる炊飯」の方法を県内各地で普及させることにしました。
この取組は、同協議会長である杉山会長(中津川市連合女性防火クラブ会長)が地元の中津川市で15年にわたって取組んできたものであり、東日本大震災での被災者の悲惨な状況を聞くにつれ、「もしこの空き缶による炊飯の方法を知っていれば、多くの人があったかいご飯を自らの手で作って食べれたのに残念だ。岐阜県でも南海トラフ地震などにより、いつ災害にあってもおかしくない。ぜひ県内各地で多くの人にこの方法を知ってもらいたい」と県内各地で普及させることを決意しました。
「空き缶コンロの作り方」を
寸劇でわかりやすく紹介
講習会の様子
(NHKや岐阜放送局も取材に来て、
夕方のニュースで放映されました。)
そこで、2月5日(火)、岐阜市の岐阜県防災交流センターにおいて、中津川市連合女性防火クラブが講師となり、県内各地の女性防火クラブの会長である同協議会役員約20名に対し、空き缶による炊飯の方法を習得する講習会を県下で始めて実施しました。
合言葉は、次の材料の頭をとって、「サア~テ身近にあるものでコンロを作ろまい」
材料: | (サ)ラダ油(使用済み油でOK) ← 燃料 (ア)ルミ製の空き缶 ← 五徳(鍋台)、火芯台(油入れ) (ア)ルミホイル ← 火芯立て (テ)ィッシュペーパー ← 火芯 |
西和消防組合消防本部(消防長 岡嶋名良文)では、平成24年12月25日(火)に、歳末火災予防運動の啓発行事の一環として王寺町・斑鳩町女性防火クラブ員と合同で、管内のJR王寺駅周辺とJR法隆寺駅周辺において「防火夜回り」を実施しました。
これは、慌しい歳末を迎え火気への警戒心が薄れがちになる時季に、火災予防の重要性を地域住民に訴えることを目的に行ったものです。
クラブ員は、お揃いのハッピに防火たすきのいでたちで、それぞれ「まとい」「拍子木」「防火提灯」を持って駅周辺及び住宅密集地域の住民に「火の用心」を呼びかけました。
また、防火夜回りの後、JR王寺駅とJR法隆寺駅で勤め帰りの乗降客を対象に広報物品を配布し、歳末の火災予防を訴えました。
地域の住民に「火の用心」
広報物品を配布するクラブ員
平成25年1月25日(金)「十和田地区婦人防火クラブリーダー研修会」が青森県十和田市で開催され、同地区の防火クラブ員のリーダー達が一堂に集いました。この研修会は、「火災から各家庭を守る」という自覚のもと、防火クラブ員の防火知識の向上と火災予防について防火クラブ員が情報交換を行うために開催しているものです。
研修会に先立ち、今年度結成された幼年消防クラブに対してクラブ旗を寄贈、優良クラブ指導者2名に対して表彰が行われ、その後、各防火クラブに対し、それぞれの地区の高齢者宅等に取り付けるための住宅用火災警報器の交付が行われました。
幼年消防クラブへクラブ旗寄贈
表彰受賞した優良クラブ指導者
住宅用火災警報器の交付後、青森県総務部防災消防課の職員2名を講師とし、「もっとしって!便利で安全性の高い最新LPガス器具」「LPガス保安業務のことをご存じですか?」と題した研修会が行われました。研修会ではLPガスの性質、LPガス正しい使い方、雪国ならではの事故事例を紹介して、注意点などについて説明がありました。
この研修会に参加した防火クラブ員は、常日頃使用しているLPガスについて学ぶことで住宅防火対策に関する知識を深めることができました。
各防火クラブに住宅用火災警報器の交付
防火クラブ員研修会風景
会長 竹内 久子
昭和61年にスタートした千葉県婦人防火研修会は皆様のご支援のお陰で第27回目を迎えました。
本年は去る1月23日に千葉県消防学校講堂に県下各地から婦人(女性)防火クラブ員など消防防災関係者多数のご参集をいただき、平成24年度の研修会が開催されました。
はじめに、主催者を代表して石橋毅千葉県少年婦人防火委員会長と私から挨拶いたしました。
また、秋本敏文日本防火協会長からの祝電の披露がありました。
竹内久子会長挨拶
住宅防火対策について講義
午前中は、私から「住宅防火対策について」と題して講義をいたしました。そのなかで、①平成23年6月に住宅用火災警報器の設置が全国で義務化されたこと。②しかし、全国における設置率を見ると77.5%(平成24年6月現在・総務省消防庁による推計)に止まっていること。③千葉県全体の設置率は71.7%と全国平均に及ばない状況にあること。(千葉市の設置率は87.3%)。④奏功事例は、消防庁に報告があったものだけでも、7,604件の多くに達していることからみても、住宅用火災警報器による感知により早期発見、初期消火ができ大きな火災を食い止めることがでること等をお話し、婦人(女性)防火クラブ員、自主防災組織、消防防災関係者が一丸となって、住宅用火災警報器や防炎品の普及促進になお一層のご尽力いただきますようご協力をお願いしました。
松戸市石村時子会長の発表 続いて、松戸市中和倉女性防火クラブの石村時子会長から活動内容の発表がありました。その中で、松戸市総合防災訓練への参加、AEDを使った訓練、消防出初式への参加などが報告されました。
「自分たちの地域は自分たちで守る!」をモットーに、住宅用火災警報器設置促進の街頭キャンペーンの展開、および、ひとり暮らし高齢者住宅の訪問などが紹介され、防災活動としていずれも有意義なものとなったことの報告がありました。
次に、先の東日本大震災による県内の被害状況を纏めたDVDを視聴していただきました。
岡島醇先生の講演 午後は、(公財)市民防災研究所理事・特別研究員の岡島醇先生に「災害イメージ・トレーニングのすすめ」~防災は想像力から生まれる~と題してDIG(災害図上訓練)を通して大変貴重なご講演をいただきました。
「平成25年1月×日午後3時・天候晴れ・北風・震度5弱から5強の地震発生。在宅していたあなたは・・・あなたの地域は・・・」そのとき何が起きる?何をする?何をすべき?事前対策として何が必要?地震発生を想定してそのとき起こる被害の状況、行動、必要とするモノ・ヒトなどを時系列(地震発生後3分・3分から3時間)で考え自分なりに記述して下さい。」講師から出されたこの課題に対して受講者は全員で考え、周囲の人との意見交換をしました。千差万別の結果が出ましたが、そのときの状況により異なるので正解はありませんが、第一の基本は、まずは「自分の命は自分で守る。」でした。
また、地震が発生したら何からどのようにするかについて時系列を4つに分けわかりやすい説明がありました。
①命を守る時間帯
「揺れている間はひたすら身を守る。」
②家と家族を守る時間帯
「家族には声を掛け合い励ましあって救助する。」
岡島先生は、昭和24年に今市町(現・日光市)で起きた直下型地震災害を例に挙げ、声を掛け合うことの大切さを強調されました。
「揺れが収まったら我が家の安全点検」(足元注意・念入りに火の始末・余震に備える)
③近隣を守る時間帯
「ご近所同士で助け合う。」(安否の確認・声を掛け合う・消火や救助に率先協力する。)
「自宅を離れている家族の安否確認」(公衆電話・災害伝言ダイヤル・災害伝言板・メール・遠方の親戚・知人を連絡拠点にする。)
「要援護者の救助」(日常の訓練に勝るものはない。)
④暮らしを守る時間帯
「困ることを想定する。」(電気・ガス・水道・トイレ・・・避難所に行けば解決できるとは限らない。)
「食料・飲料水の買い置き」(10日間生き抜く発想を)
「わが家の防災訓練」(食用油を使った手作りランプ・自動車のヘッドライトの活用)
岡島先生は「災害に対応する率先市民になるためには、地域のハザードを理解するとともに人と人のつながりを大切にし、地域のさまざまな問題に取り組む必要がる。」と結ばれました。
研修終了後、参加者からは「DIGの大切さが分かった。」「有事の際、声を掛け合うことの大切さが良く理解できた。」「講演内容を自分なりに実践したい。」「とても有意義で貴重な内容だけに勉強になりました」など多数の感想が寄せられました。
参加者は、終始熱心に聴講いただき、平成24年度千葉県婦人防火研修会は盛会裡に修了しました。
秋本会長に義援金を手渡し なお、東日本大震災により消防団員254人が犠牲になり、遺児も169人を数えます。今回の研修会参加者に義援金をお願いしたところ、多くの皆様からの心温まるご支援を頂きました。皆様のご厚志は2月5日に消防団職員殉職者遺児育英奨学基金(秋本敏文会長)にお届けしました。
終わりに、研修会開催にあたりご協力いただきました(財)日本防火協会、千葉県消防学校、千葉県消防協会およびご参加いただきました皆様に心から感謝申し上げます。