電気器具等は日常生活において欠かすことのできないものですが、下グラフのように電気器具等が原因となる火災は多く、使用者の不注意や誤った方法で使用した場合は、火災につながるおそれがあります。
建物火災における主な出火原因 (令和6年中・概数値)

- ・電気機器:電池類、電化製品、OA機器等
- ・配線器具:スイッチ、安全器、ソケット等
- ・電灯電話等の配線:送電線、配電線、引込線等
- ・電気装置:モーター、コンデンサー、制御盤、燃料電池等
電気器具等を使用する際には、次のことに注意しましょう。
1. 点検の実施
扇風機や電気ストーブなどの季節を限定して使用する電気器具等は、毎年使用する前に必ず点検をしましょう。
また、使用中に普段と違った音や動きに気づいたときは、すぐに使用を止め、コンセントから差込プラグを抜いて、専門の業者に点検をしてもらいましょう。
2. 正しい使用
電気ストーブで洗濯物を乾かしている時に、洗濯物が電気ストーブの上に落ちて火災につながるなど、電気器具等を本来の目的以外で使用すると、意図しない火災につながるおそれがあります。
使用に際しては、取扱説明書をよく読み、その機能を十分に理解して正しく使用しましょう。
3. 危険なたこ足配線を行わない

たこ足配線による火災。
現在は、数多くの電気機器が使用されています。このため、使用する電気機器に対しコンセントが不足し、たこ足配線になる傾向があります。
テーブルタップ自体が過熱し、火災の原因となるため、テーブルタップの電気の許容量を超えて使用するたこ足配線は絶対にやめましょう。
4. コンセントの清掃
トラッキング火災に注意!
コンセントに差込プラグを長期間差し込んだ状態にしておくと、コンセントと差込プラグの間にほこり等が付着し、付着したほこり等に湿気が帯び、通電することにより火災になることがあります(トラッキング火災)。
差込プラグに付着したほこり等は、定期的に取り除くようにしましょう。
5.バッテリーの保管と損傷した場合の対応
リチウムイオンバッテリーの火災
日常で使用している電気機器にはリチウムイオンバッテリーを使用しているものが数多くあります。
スマートフォンや小型扇風機、モバイルバッテリーなど、リチウムイオンバッテリーを使用しているものは、高温になる車内などに放置すると出火する恐れがあります。
また、地面に落下させるなどして、衝撃が加わった機器を使用する場合も発火の危険が高まります。バッテリーを落下させてしまい形が変形した場合や、バッテリーが膨張した場合などは使用するのをやめましょう。
【電気器具等の火災を防ぐポイント】
1.必要に応じて点検を実施する。
2.電気器具等は、正しく使用する。
3.使用しないときには、コンセントから抜く。
4.危険なたこ足配線はしない。
5.差込プラグに付着したほこり等は取り除く。
6.バッテリーは高温になる場所で保管しない。
7.破損したバッテリーは使用しない
(総務省消防庁「消防の動き」2025年8月号より)