林野火災の月別出火件数(令和2年~6年の年平均)
1 林野火災の発生状況及び注意点
林野火災の発生状況は、右図に示すとおり年明けから大きく増え始め、特に2月から5月にかけての時期に多く発生する傾向があります。この傾向は例年ほぼ同様となっています。その原因としては、この時期に火入れが行われることや、山菜採りやハイキングなどで入山者が増加することによる火の不始末等が考えられます。
出火原因としては、人為的な原因によるものが多くを占めています。個別に見ると、「たき火」によるものが 380件で全体の32.5%を占めて最も多く、次いで「火入れ」、「放火(放火の疑いを含む)」、「たばこ」、「マッチ・ライター」の順となっており、この傾向も、例年ほぼ同様のものとなっています。
林野火災出火原因(令和2年〜6年の年平均)
たき火 |
火入れ |
放火 |
たばこ |
マッチ・ライター |
左記以外 |
林野火災発生件数 |
380件 |
221件 |
90件 |
48件 |
32件 |
397件 |
1,167件 |
令和6年中の林野火災発生状況をみると、出火件数は、 831件(対前年比468件減)、焼損面積は1,073ha(対前年比230ha増)、死者数は8人(対前年比同数)、損害額は7億 3,653万円(同6億1,134万円増)となっています。令和6年は出火件数が、初めて1000件を下回りましたが、この年は降水量が多かったことなどもあり、一時的な減少である可能性もあるため、油断はできません。令和7年には岩手県大船渡市や岡山県岡山市、愛媛県今治市などで大規模林野火災が相次いで発生したほか、1月から6月までの概数では発生件数は令和5年以前と同水準に戻っている月もあります。
区分 |
令和5年 |
令和6年 |
増減数 |
増減率 |
出火件数(件) |
1,299 |
831 |
△ 468 |
△ 36.0% |
焼損面積(a) |
84,379 |
107,346 |
22,967 |
27.2% |
死者数(人) |
8 |
8 |
0 |
0.0% |
損害額(万円) |
12,519 |
73,653 |
61,134 |
488.3% |
「たき火」には刈り取った草木を自宅の庭や畑で焼却することが、「火入れ」には害虫駆除などを目的として草や木などを広く焼却するなどの野焼きも含まれるため、人為的な出火を未然に防ぐためには、地域の住民も含めて各自が次のような点に注意することが重要です。
【林野火災防止のための注意点】
- ● 枯れ草等のある火災が起こりやすい場所では、たき火をしないこと
- ● たき火等火気の使用中はその場を離れず、使用後は完全に消火すること
- ● 強風時及び乾燥時には、たき火、火入れをしないこと
- ● 火入れを行う際は市町村長の許可を必ず受けるとともに、あらかじめ必要な防火対策を講じること
- ● たばこは、指定された場所で喫煙し、吸いがらは必ず消すとともに、投げ捨てないこと
- ● 火遊びはしないこと、また、させないこと
2 全国山火事予防運動(3月1日~3月7日)
消防庁では、広く国民に山火事予防意識の啓発を図るとともに、予防対策を強化し、森林の保全と地域の安全に資することを目的として、毎年、林野庁と共同で春季全国火災予防運動期間中の3月1日から3月7日までを「全国山火事予防運動」の実施期間と定め、次のような活動を通じて山火事予防を呼びかけています。これを機会に一層の取組みをお願いします。
【全国山火事予防運動期間中における主な活動】
- ● 全国の消防関係機関において林野火災の予防対策と警戒を強化
- ● ハイカー等の入山者、地域住民、小中学校の児童・生徒等を対象とした啓発活動
- ● 駅、市町村の庁舎、学校、登山口等への警報旗やポスターの掲示
- ● テレビ、ラジオ、有線放送、新聞、インターネット等の各種広報媒体を活用した山火事予防意識の高揚
- ● 住宅地等に近接する森林での重点的なパトロールの実施
- ● 農林業関係者等と消防関係者等が連携した消防訓練及び防火研修会の開催 等
令和8年 山火事予防の標語
「山火事を 起こすも防ぐも 私たち」
3 おわりに
林野火災は一旦発生して延焼すると、消火隊の立入りが難しいことや利用可能な水利が限られることから、消火活動が困難な上、人命や家屋等を危険にさらすほか、貴重な森林資源を大量に焼失し、その回復には長い年月と多くの労力を要することになります。
林野火災の大部分は、皆さん一人ひとりの注意で防ぐことができます。貴重な人命や財産を火災から守るため、林野での火気の取扱いには十分気をつけましょう。
(総務省消防庁「消防の動き」2026年2月号より)




