HOME > 防火防災管理 講習者受講100万人達成記念 > 100万人達成に寄せて > 大井 久幸 様
「一般財団法人 日本防火・防災協会」が実施している防火管理、防災管理講習を修了した方が100万人に達しました。この業績に感慨深い思いであります。
国内では、1960年代は建物の高層化が進むとともにビル火災が多発し、特に多人数を収容する混在ビル、ホテル等の大火災が頻発しました。そして多数の死傷者を伴う惨事が増加した時代であったと思います。
これらの火災から見えるのが、設備や建物構造等のハード面の不備のほか、特に消防用設備等の維持管理の不適切、火災発生時の適切な対応の欠如等、ソフト面の欠陥に大きな要因があったと思われます。
このことから、逐次消防法など関係法令の改正が行われてきました。特にソフト面での防火管理責任の強化を図る必要があるとされ、防火管理者の養成体制の整備が行われました。
こうした経緯を踏まえて、当協会では、2002年に「防火管理の育成強化に係る研究会」を設置して調査、検討を行い、報告書をまとめました。その結果、2004年5月31日には、総務大臣の「登録講習機関」として登録され、同年6月1日から防火管理講習を実施しています。
更に、大規模地震等への災害対応能力の強化を図るために、新たな「防災管理者制度」が規定され、当協会では2009年3月から講習を実施しています。
当協会の組織、講習体制も年とともに整備され、現在では7科目の講習を行うに至りました。講習の特徴は登録機関としての責務を果たすために、法令基準に適合する方法によって、公平かつ公正に行うこととしております。
また、当協会の講習の実施範囲は、全国広域(道府県、広域市町村単位、全国展開企業、大規模商業施設、企業等の状況によっては、「出張講習等」)で実施しております。
講習実施体制は、理事長を統括責任者として、有識者からなる「講習運営委員会」を設置し、重要事項を審議して、より良い講習の実施に努めております。
更に、講習内容の充実を図るために「教材作成委員会」等を設置して、講習の質的向上を図っております。
業務担当部署には、消防行政と消防実務に長けた人材を配置しており、講習事業の中枢で大いに機能していることと思います。また、講習の要である講師は、消防本部などに依頼しており、予防行政や災害対応実務の豊富な経験と知見を有するOB等を登録・委嘱し、講習効果が挙げられていることと確信しております。
これまで当協会の業務の一端に携わってきた私の思いは、防火防災に係る登録講習機関としての社会的責務を、職員一同が共有して、より良い講習機関を目指していることであります。また、役職の立場にある者にあっては、行政機関をはじめ関係諸団体との緊密な連携と情報交換に努め、事業の円滑な運営に尽力していることでしょうか。
今後、ますますの発展・充実を期待します。