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2-1 応急救護・搬送訓練の意義




ポイント 災害の大きさ・状況の違いによって変わる対応

●日常〜中小規模災害
第一に、救急車を呼びます。しかしそれだけでは終わりません。倒れた人のすぐ近くにいる家族や会社の同僚、通りがかった市民が、応急手当もできるかどうかが重要です。そういった応急救護の実践が、救命率の向上につながることは医学的見地からも明らかになっています。逆にこの間、傷病者が放置されてしまうと、救命のチャンスを逃がしたり、助かっても予後を悪くしてしまう可能性が高まるのです。
また、一度に何人もの傷病者が出て、消防・医療機関が混乱している場合も考えられることから、市民による応急救護は一層重要になります。

●大規模災害
大地震などの大規模災害の場合には、消防機関の支援を頼むことがほとんどできなくなる可能性がありますので、まず、近隣の人々によって、生き埋めになっている人を探し出して救出するなどの救命・救助活動、応急救護が不可欠です。日常からの地域での防災意識の向上・協力体制づくりが決め手となるでしょう。地域内にある医療機関との連携も不可欠です。
応急手当では対応できない重症の患者については、指定避難所内の救護所などを経由して、災害時の拠点病院などへ搬送(後方搬送)できるようなしくみづくりを考えておく必要もあります。