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3-2 データ



[データ1] 阪神・淡路大震災の震災当日に住民が知りたかった情報
知りたかった情報
大規模災害において、被災者が最も知りたい情報は、余震などの今後の被害の見込みです。人々に不安を広げるデマには、「明日また大きな地震があるらしい」といったものが多く見られました。そのほかにも、家族の安否・ライフラインなどが回答として挙がっていますが、逆に、このような過去の経験から、被災直後に必要とされる情報はある程度予測できるともいえます。
[データ2] 生活情報はマスコミからは手に入らない 〜「デイリーニーズ」の果たした役割
阪神・淡路大震災の被災地の中でも火災の被害が激しかった長田区は、被害状況が明らかになるのが遅れ、それだけに支援の手が入るのも遅れました。そして避難生活が長期化する中で必要になってきたのは、各種の生活情報でした。しかしテレビや新聞では細かい身近な生活情報を得ることはできません。
そこで東京から印刷機と発電機をトラックに積んで、最も情報が不足している長田区に入った民間のボランティア団体ピースボートは、「生活情報かわら版・デイリーニーズ」を毎日発行し、そういった情報の空白地帯を埋めながら、被災者の生活復旧・復興を大きく支援しました。
B4サイズの紙面の裏表のそのミニコミ紙には、銭湯の再開、受診可能な病院、民間・自治体の住宅情報、知人の安否確認、地域合同慰霊祭のお知らせ、青空市場、地元での求人など、マスコミでは手に入らない区内の生活情報が盛り込まれました。「デイリーニーズ」は当時約5万世帯だった長田区において、震災発生9日後から約1か月半にわたって発行されましたが、発行部数は当初2千部から、ピーク時には毎日1万部に達しています。
各種情報源のほかに、毎朝発行する「デイリーニーズ」を区内全域に配布する際、配布ボランティアがそのまま記者となって、各避難所等で被災者が求める情報、発信すべき情報を集めました。そしてそれらを夜間記事にし、印刷を行って朝から配布するというサイクルが取られたのです。
このように、大規模災害時におけるミニコミ紙の役割、機動的に情報を集め伝達する、組織的な情報ボランティアの役割を見直すことも重要です。
デイリーニーズ
阪神・淡路大震災で配布された
「生活情報かわら版・デイリーニーズ」