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4-3 初期消火訓練の実際



初期消火活動は、出火してから天井に火が燃え移るまでの消火活動のことです。これを過ぎると煙が急に増えてくるため、市民の手には負えなくなってしまいます。可能な限り初期消火に取り組むことが重要ですが、自分たちだけで火事をおさえ込めると考えず、決して無理をしないのが鉄則です。

市民による消火活動の基本は以下の2つです。

(1)ボヤで消し止められるような場合の初期消火活動

(2)火災の拡大・延焼防止の活動

初期消火の限度を超える火災に発展してしまったら、危険を避けられる場所まで避難し、消防隊が到着するまでの間は火災の延焼拡大を防ぐことに努めます。また、消防隊の到着後、スムーズな消火活動が行えるよう、野次馬の整理などが必要となる場合もあるでしょう。

婦人防火クラブのリーダーが地域住民と一緒に取り組む訓練としては、消火器を使っての初期消火訓練、バケツリレーなどの訓練が基本的なものとなっています。競技会形式にするなど、各地で工夫を凝らした訓練が行われています。(→『日常活動編』「防火の技術を楽しく競う」、本編「消火活動の各段階と市民の対応」参照)

消火訓練は、水の入った訓練用の消火器で行われることがありますが、実際には煙などで、火元がよく見えなくなる場合があります。実際に火を焚いたうえでの、消火器による消火訓練が行えるとよいでしょう。

また訓練に加えて、地域における火災の特徴や傾向を学ぶ、高齢者や障害者など十分な火災対策ができていない可能性のあるお宅を訪ね、消火器・住宅用火災警報器の設置などを含めた啓発活動やいざというときの近隣の協力体制づくりを行うことも重要です。

特に、木造住宅が密集しているような地域では図上訓練を取り入れると有効です。