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6-2 データ



[データ1] 水の確保

阪神・淡路大震災では、水道復旧(仮復旧)までに1か月以上かかり(全戸復旧は3か月)、その間、多くの人が通常の1/10程度の水で耐えなければなりませんでした。

また、水道の停止に対して、市民がどのような対応をとったかに関する聞き取り調査の結果から、応急給水体制が整った後も1人当たりの確保水量等が通常に比べ大幅に少なかったことがわかっています。この理由としては、給水拠点から自宅の利用場所まで水を運ぶことができなかったり、貯めておく容器が足りなかったことがあげられています。
(『震災復興の政策科学』立命館大学震災復興研究プロジェクト編(1998)より)

[水の備蓄]
1人1日3リットルを目安として家族の3日分をポリ容器や市販のミネラルウオーターで確保します。
3リットル×4人×3日分=36リットル
できれば上記は飲料としてミネラルウオーターなどで確保し、そのほかに、持ち運びができる程度の大きさのポリ容器に入れた水を、こまめに入れ替えるようにしておけばなお安心です。さらに、お風呂の残り湯もとっておくよう習慣づけましょう。生活用水として役に立ちます。ちなみに、日本全国における1人1日当たりの水の使用量は約320リットルです。日常生活における水の使い方も、今一度考えてみるよい機会と言えます。
[データ2] 焦土の中での炊き出し

阪神・淡路大震災で全焼の被害を受けた、神戸市長田区御蔵5・6・7丁目地区では、地区が焦土と化した中で、被災当日住民自身による炊き出しが行われました。そのような体制がとれたのは、地区の中央にある小さな公園に設置された地区の「子ども会」の倉庫(コンクリート製)が焼けずに残っていたため、夏祭りなどで使用していたコンロ・釜・なべなどが無事であったこと、そのすぐ横に倒壊しつつもかろうじて燃えなかった米穀店があり、この米を使用できたこと、なによりも普段からの地域のつながりが強く、お祭りやハイキングを通じて炊き出しなどの共同作業にもよく慣れていたことが挙げられます。

ちなみにこの地区では、女性を中心に炊き出しを行う一方で、男性を中心とした防犯会のメンバーが、周辺の救助活動や交通整理にあたるなど、予測をはるかに超えた状況にあっても、すぐに協力し合い、事態を乗り越えるための行動に移っています。互いに地域の事情をよく知っており、住民の地域への愛着が深いこと、そして長年の間常に自立的に地域活動を担ってきた誇りをもっていたことが、これらの迅速な行動に結びついたと言えるでしょう。 (ヒアリングより)