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6-4 訓練方法



給水や炊き出し、配食だけを単独で行うことも十分意義がありますが、できれば地域の避難拠点、給水拠点となる場所で、住民のみなさんと一緒に備蓄食品や調理器具を取り出したり、使用しながら行うようにしましょう。加えて、避難所での避難生活が長引いた場合もある程度想定しながら、柔軟な対応ができるよう、地域に合った様々な訓練、対応方法を考えてみましょう。お祭りなど、地域になじみのあるイベントで防災炊き出しとしてわいわい実施するなど、「楽しくておいしい訓練」も企画・展開しましょう。

大なべや釜などを利用した炊き出しの方法を覚える
1.大なべや釜などを利用した炊き出しの方法を覚える
●被災後の衛生状態の悪い中で、大勢の人に配給することを考え、手や調理器具の洗浄をしっかり行いましょう。
●家庭での調理とは勝手が違うので、燃料の確保、水加減、火加減などの習得が必要です。ガスバーナーなど、大型火力機器の扱いは慣れないと大きな事故にもつながりかねないので、何度も練習しておきましょう。
給水拠点の把握とその利用
2.給水拠点の把握とその利用
●事前に給水車による給水拠点を決め、給水車からの給水方法を訓練しておく。
●地域内にある井戸など、飲料水を確保できる場所を調査しておく。
●避難所等にあらかじめ設置されているろ過器の使用方法を確認し、習得する。
●ろ過器なしに飲料水を確保する方法を習得しておく(海水蒸留法、夜露や雨水の採集法、比較的清潔な汚水の簡易ろ過方法など)。
実際に作って食べてみる
3.防災備蓄食品の特徴や食べ方を知り、実際に作って食べてみる
●アルファ化米や、ハイゼックス袋を使用した炊き出しなどを実際に体験しましょう。
●備蓄食品、ごはんや汁物などの配布については、中学生・高校生なども巻き込んで実践してみましょう。体の弱い高齢者や障害者のかたへも、食事は届きましたか?
災害時要援護者などへの配慮
4.災害時要援護者などへの配慮
●自分で水や食事を取りにくることができない人、病気などにより水分補給が欠かせない人など、さまざまな事情を抱えている人への配慮が必要です。
●高齢者や病人、乳幼児などは、一般の防災備蓄食品が合わない場合もあります。一手間加えるなど、できるだけそれぞれに合わせた食べ方を考えるとよいでしょう。
●噛めない、飲み込めない、深刻なアレルギーがあるなど、体に合わないのにもかかわらず、配給されたのだから食べなくては申し訳ない、と思ってしまう人もいます。食べられるかどうか声を掛けて聞いてみる、難しければ無理に食べるようにすすめず、代わりの栄養補給方法を一緒に考えることが大切です。