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7-1 災害時要援護者のケア訓練の意義



災害時に、様々な側面で最も大きなダメージを受けるのは、高齢者や障害者、傷病者といった災害時要援護者です。また、様々なハンディをもった災害時要援護者の安全を地域で確保できるようにするということ自体が、地域全体の安全基準を向上させることにつながります。

たとえば、災害時要援護者だけでなく、大災害による異常な状況におかれることによって、一般の住民でも健康・心理面で影響を受けることが十分ありえます。また、健康な人でも、避難の途中で大きなけがなどを負ってしまえば、そのときから災害時要援護者となってしまいます。つまり心身、食事への配慮といった対応は、通常健康な人にも求められるケースがたくさん出てくるのです。そして、こうした対応がうまくできなければ、地域における避難・避難生活全体がスムーズに進まなくなる可能性が高まります。

婦人防火クラブのリーダーは、災害時要援護者の方に対する、必要な対応を事前に学んでおくようにしましょう。そして、実際の避難誘導・避難生活を想定したうえで、柔軟かつ積極的に対応できるような、地域の体制づくりを進めることが理想です。

実際に障害者や高齢者の方に参加してもらうことなども含めて、地域で様々な訓練を行ってみましょう。また、福祉的・医療的な対応の必要性が生じたり、マンパワーの不足などが問題になる可能性も大いに高まります。地域の施設や外部からのボランティアとの協力のあり方も検討しておく必要があります。

災害時要援護者対策を進めていく際の出発点は、日常的な安全体制やケア体制そのものにあることも、地域でしっかりと認識しておきましょう。地域における災害時要援護者への日常からの対応・対策については、『日常活動編』「災害弱者に配慮した地域づくりを目指して」で詳しくまとめてありますので、あわせて参照ください。