災害時、特に都市部を大地震が襲って、大量の住宅や上下水道施設が破壊された場合に、非常に困難な事態をもたらすのが排泄、つまり「トイレ」の問題です。
地震で上下水道が機能不全となっても、私たちは「トイレ」をがまんし続けることはできません。
身体障害者・高齢者はもちろん、トイレに不自由することで排泄をがまんして体調を崩すケースも起こるなど、心身ともに困窮させられる厳しい問題、生命維持の問題に直結するのがトイレ問題。したがって、事前の備えが欠かせません。
しかし、トイレそのものの確保と設置、大量のし尿の処理、衛生上の問題など、対応すべき課題は多岐にわたります。
阪神・淡路大震災では、神戸市環境局の調べによると、避難所生活者のほかに、家で寝起きできたものの、水洗トイレが壊れたり、断水で使えなかった世帯は、発災から約半月たった1月末で、全世帯の半分28万世帯ほどあったと推定されています。
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