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  災害時のトイレ問題〜トイレ・パニックに陥らないために〜




災害時のトイレ問題とは

災害時のトイレ問題とは
災害時、特に都市部を大地震が襲って、大量の住宅や上下水道施設が破壊された場合に、非常に困難な事態をもたらすのが排泄、つまり「トイレ」の問題です。
地震で上下水道が機能不全となっても、私たちは「トイレ」をがまんし続けることはできません。
身体障害者・高齢者はもちろん、トイレに不自由することで排泄をがまんして体調を崩すケースも起こるなど、心身ともに困窮させられる厳しい問題、生命維持の問題に直結するのがトイレ問題。したがって、事前の備えが欠かせません。
しかし、トイレそのものの確保と設置、大量のし尿の処理、衛生上の問題など、対応すべき課題は多岐にわたります。
阪神・淡路大震災では、神戸市環境局の調べによると、避難所生活者のほかに、家で寝起きできたものの、水洗トイレが壊れたり、断水で使えなかった世帯は、発災から約半月たった1月末で、全世帯の半分28万世帯ほどあったと推定されています。

地域でさらに備える

阪神・淡路大震災以降、学校など災害時に避難所となる施設での、仮設トイレの備蓄は進んでいます。
しかし、地域住民がトイレの備蓄場所・設置方法を事前に把握しているのか。避難所における仮設トイレの数や、設置にかかる時間・体制などが、実際に想定される被災者の数、トイレ需要の発生時期に間に合うのかどうか。トイレの使用、清掃・消毒などの維持・管理ルールをどう考えるのか。そして身体障害者・高齢者対応はできているのかなど、地域で事前に検討し、備えておくべき課題はたくさんあります。
地域の核となる避難所でのトイレ対策・備蓄の再検討に加えて、公共施設・大型商業施設や公園などが新しくつくられる際に、災害対応型のトイレの設置を提言するなど、防災まちづくりの一環として、住民が働きかけを行っていくことも重要です。ボランティアとの連携も検討しておきましょう。

災害用トイレとは?

災害用トイレは、トイレの形態(備蓄・運搬・設置など)と、し尿処理の方法・処理能力、衛生面などメンテナンスのしやすさ、そして利用者にとって使いやすく安全性が高いか、という視点で考えていく必要があります。