トップページ訓練・実践編へ索引

4-2 日常生活の場面からの広がりを意識した活動




4 地域を超えた取り組み(広域連携や広域支援)

被害が広範囲に及ぶような大規模な災害の場合、近隣住民の助け合いや、基礎自治体からの支援だけでは対応が追いつかない場合も多々あります。その場合はやはり、被害を受けた地域からある程度離れた地域からの支援が必要になります。自治体の間では、災害に備えた相互応援協定が締結されています。中には姉妹都市との間で、被災者のホームステイを行うといったユニークなものも見られます。

民間サイドでも、同じ業者の間で災害時の広域連携支援体制が検討されています。例えば、消費生活協同組合(生協)などは、被災自治体に物資を供給するために、生協同士の間でも緊急物資の供給に関する協定を締結し、非常時に備えています。

また、阪神・淡路大震災以降、ボランティア団体・NPOらが災害に備えた広域的なネットワークを結成する動きも活発になってきています。災害に備えたネットワークは、全国各地で結成されていますが、1.災害時に備えて平時から「顔の見える」関係をつくっておくために、2.活動分野を限定せず、自由に参加できる形態をとりながら、3.メンバー(団体)同士が「緩やかに」つながっている、といったことが共通する特徴として挙げられます。当初は都道府県のレベルで結成される傾向がありましたが、現在は、全国レベルのネットワークも結成されています。しかし一方で、こうした広域的な連携は、非常時に動くことを目的としているため、日常的な実践の場が少なく、連携体制を維持していくことが難しくネットワークそのものが形骸化しやすいといった課題も抱えています。

炊き出しボランティア
阪神・淡路大震災の際に他府県から被災地に入り、炊き出しのボランティアを行った婦人防災クラブもあります