トップページ訓練・実践編へ索引

4-2 日常生活の場面からの広がりを意識した活動




(3)市区町村レベルの取り組み

市区町村には、「災害ボランティア」受け入れ窓口の設置が求められています。医療などの専門的な技能保有者(専門ボランティア)については、事前登録制度などをつくり、災害時に活動しやすい環境を整える必要があります。また、被災市区町村の外部から参加することが多い、その他の一般ボランティアについては、その受け入れ体制の整備が必要ですが、特に被災地域住民との連携を図れるような「しくみ」を事前に検討しておくことは重要です。行政や公共的な民間団体(社会福祉協議会・日赤・地域組織の連合会、JC、NPOなど)には、そうした「しくみ」を考えていく「場」を提供することが求められます。ここでいう「場」とは、意見交換の「場」のことですが、実際に災害ボランティアを受け入れる際には、物理的なスペースとしての「場」も必要になってくるでしょう。

【考えられる取り組み事例】
○地域福祉・ボランティア活動から災害対応を考えてみる
→都内のある社会福祉協議会では、「災害弱者対策検討委員会」を設置し、町会の代表者、民生委員、障害者団体、行政の担当者(防災と福祉)などの立場の人に委員を委嘱し、定期的に会合を行ってきた。会議の中ではまず、区内の被災状況を想定することからはじめ、災害弱者に関する情報を整理し、彼らが非常時に抱える問題点を明らかにしていった。その結果に基づき 1. 行政の防災計画に意見書を提出し、計画を改変させている。現在は、緊急時に自律できる体制を、「計画」だけでなく「実態」としても確保していくために、2.「小地域福祉活動」の充実を図ることに力点をおいている。

(4)職場や親戚との連絡

都市で生活している人たちの多くは、1時間以上かけて職場や学校に通っています。平日の昼間は、自分の住む地域から離れて暮らしている場合が多いのです。したがって、平日の昼間に災害が起これば、家族が離ればなれのまま、互いの安否を確認できない状況におかれることになります。したがって、そうした事態を想定して、家族の間で、「○○で被災したら××に、△△にいる場合は◇◇に集合しよう」「災害用伝言ダイヤルを使って互いの状況確認をしよう」、などという形で、事前に決めておくことは非常に重要です。

【考えられる取り組み事例】
○災害時伝言ダイヤルの利用方法(伝言ダイヤル 171)
○帰宅困難者の徒歩帰宅訓練

(5)その他

環境の問題(市街地・木造老朽家屋が密集した地域の取り組み;竹町中町会春日学区など参照)、町並み保存の運動と防火。