■ほのぼの明かりの由来
わたしたちの快適な暮らしを支えているライフライン。阪神・淡路大震災では、電気・ガス・水道をはじめとする主要なライフラインが破壊され、市民生活が全面的な麻痺状態に陥り、ライフラインに依存しきった都市生活の脆さを思い知らされることとなりました。
こうした災害によるライフラインの支障が社会問題として注目されるきっかけとなったのは、1978年の宮城県沖地震でした(この地震は、ライフライン被災型災害といわれています)。
この地震によって、大きな火災は起きませんでしたが、仙台市を中心として電気、ガス、水道が機能しなくなると、都市住民の生活に大きな支障をきたしました。中でも、夕方に発生した地震でしたので、ロウソク、乾電池を買い求めようとした人が多く、品切れが続出したそうです。購入できなかった人は、様々な知恵と工夫を凝らしました。ある主婦は、昔の「あんどん」の明かりをヒントに、ジュースの空き缶にサラダ油を入れ、脱脂綿を撚って灯芯にし、明かりを作りました。彼女にとっては、まさに「生命の明かり」だったのです。その話を伝え聞いた(故)籏野次郎((財)市民防災研究所の創設者:関東大震災の被災者)は、その明かりをより安全で、また誰もが身近にあるものを使って作ることができる「安全灯」を、試行錯誤のすえ完成させました。
|