災害時に、ひとり暮らしなどの要援護高齢者や障害者などを救出したり避難誘導して人的被害を最小限にくい止めるためには、日頃からこうした災害弱者の所在を正確に把握しておくことが必要です。
そのための方法としては、色分けなどの工夫により災害弱者の所在をわかりやすく示した災害弱者所在マップの作製が有効です。しかし、ねたきりや痴呆性の高齢者、障害者などについては、プライバシーに深くかかわるものだけに、特に公的サービスを受けていない者の場合、実態の把握自体が非常に難しいのが現実です。
災害弱者や家族の協力を得るには、災害時に具体的にどのようなサポートを想定した計画を立てるのか、その実現可能性にまで踏み込んだ説明をして、プライバシーに十分配慮しつつ可能な限り情報収集に努めるという柔軟な姿勢の積み重ねが必要になります。
また、把握した所在情報は、災害弱者本人や家族の了解を得て、実際に救出・避難誘導にあたることになると想定される範囲の組織のみにとどめ、取り扱い上個人のプライバシーを保てるよう十分配慮しましょう。
なお、こうした情報は、定期的に内容を更新していく必要があります。また、行政とも定期的な連絡を取り合っておくことも大切でしょう。
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