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5-2 地域住民への啓発




3 災害弱者の情報把握と日常的なケア

情報把握

災害時に、ひとり暮らしなどの要援護高齢者や障害者などを救出したり避難誘導して人的被害を最小限にくい止めるためには、日頃からこうした災害弱者の所在を正確に把握しておくことが必要です。

そのための方法としては、色分けなどの工夫により災害弱者の所在をわかりやすく示した災害弱者所在マップの作製が有効です。しかし、ねたきりや痴呆性の高齢者、障害者などについては、プライバシーに深くかかわるものだけに、特に公的サービスを受けていない者の場合、実態の把握自体が非常に難しいのが現実です。

災害弱者や家族の協力を得るには、災害時に具体的にどのようなサポートを想定した計画を立てるのか、その実現可能性にまで踏み込んだ説明をして、プライバシーに十分配慮しつつ可能な限り情報収集に努めるという柔軟な姿勢の積み重ねが必要になります。

また、把握した所在情報は、災害弱者本人や家族の了解を得て、実際に救出・避難誘導にあたることになると想定される範囲の組織のみにとどめ、取り扱い上個人のプライバシーを保てるよう十分配慮しましょう。

なお、こうした情報は、定期的に内容を更新していく必要があります。また、行政とも定期的な連絡を取り合っておくことも大切でしょう。

●災害弱者の情報把握の方法●
情報把握の方法
1 防災関係機関が把握する方法

●市区町村や消防署などから提供されるデータを活用する。
●実態調査により直接データを収集する。
●町内会や自治会を通じてデータを収集する。
●ボランティア組織などを通じてデータを収集する。
2 災害弱者からの 自己申請により 把握する方法

●災害弱者や家族に自己申請方式を周知させる。
●災害弱者から要望を受ける窓口を設ける。
3 地域住民による 自主的な把握方法

●災害弱者と地域住民が日頃から信頼関係を保持し、相互に理解し協力し合える土壌、意識づくりを行う。
●強力かつ熱心なリーダーを育成する。