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5-3 災害弱者への支援方法



地域における災害弱者の支援方法を考えていくためには、高齢者や障害者の心理をまず知る必要があります。

高齢者などの災害弱者は、災害時に多くを語らないため、それが生命の危険につながり問題を一気に吹き出させてしまう原因にもなっています。したがって、災害弱者からの直接的な要求がなくとも、様子に注意を払い配慮していく必要があります。

また、高齢者や障害者は、日常時にも心身のハンディのために欲求や行動が制限されるため、世間や他人への関心が薄くなり内向的になる人が多いといわれています。したがって、繰り返し接触することで顔なじみになり、話をよく聞いて信頼される関係をつくるなどの心遣いが大切になります。

高齢者の場合、緊急時の救出・救護の方法と支援体制の確立、家具の転倒防止措置などの自力で行うことが難しい家庭内の防災対策への協力、防災に関する相談への対応などが個別の支援としてはあげられます。

また、障害者への支援を考える場合には、まず障害者の個々のハンディキャップの内容を知る必要があります。障害の内容ばかりか障害の程度や障害をもつに至った経緯によってもハンディに違いが見られるため、そのハンディの内容に応じ必要になる支援も異なります。

●災害弱者との日頃のコミュニケーション方法●
高齢者タイトル
●高齢者と話すときは、できるだけゆっくりはっきり大きな声で話す。
●相手の人生や生きてきた時代などの社会的な背景を知ることによって、その人の考え方を理解し、会話の糸口をつくる。
●相手の考えを否定したり説得したり、自分の考えを押しつけたりしない。おおらかに温かい気持ちで接する。
●相手の話がたとえ同じ内容の繰り返しのような場合でも、面倒などと思わずに親身になって聞いてあげる。
●会話中に、名前を呼んだり軽く肩を叩いたり手を握ったりするなど、スキンシップも大切。
高齢者
障害者タイトル
●障害があっても特別視したり無能力扱いせず、可能なことを能動的に体験してもらいながら災害弱者自身の能力を引き出すように接する。
●偏見や憶測による思い込みをなくし、健常者と同じ接し方をしながら必要な手助けをしていく。
●ふれあいの場をつくり地域の障害者団体やボランティアとも交流を図りながら積極的にコミュニケーションを行う。
障害者
●緊急通報システムの活用●
現在、緊急通報装置については、日常生活用具給付・貸付の対象品目として利用者も年々増加しています。この装置は、火災発生時や大規模地震などの災害時にも有効ですが、日常的な協力員を介してのネットワーク(広い意味での地域のネットワーク)づくりという視点で考えると、地域でも積極的な活用方策を検討していく価値があります。
●高齢者宅の家庭訪問や防火診断●
災害弱者自身が、身のまわりの安全対策、生活環境条件そのものを改善する対策が必要にもなります。そのためには、婦人防火クラブが中心になって、高齢者の家庭訪問や防火診断などを定期的に行い、寝室に対する配慮や居住環境などを含めて、改善を促すような活動が必要になります。