安否確認と避難誘導体制が実際に有効に機能するためには、何よりも地域住民みんなの間で、この体制についての共通理解がなされていることが重要です。そのため、きめ細かな広報など地域住民の意識啓発を十分に図る必要があります。
また、意識啓発だけでなく、実際に定期的な訓練を実施するなどして、実践的な体制づくりを図る必要があります。事例紹介では、ひとりの高齢者に対して地域のさまざまな活動を連携させながら災害弱者対策を進めている京都市春日学区自主防災会の例をあげております。このように、高齢者をテーマに既存のさまざまな活動をつなげていくことが、災害弱者対策を考えていく際の重要な出発点になります。こうした関係を基礎にして、災害弱者の救助を想定したさらに高度で実践的な訓練の実施を行っていくと、災害弱者対策が本物になっていきます。
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