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7-2 活動を楽しくするための具体策




1 防災イベントの開催方法

活動を楽しくするしかけのひとつは、適切な時期とテーマを設定したイベントの開催です。防災イベントの場合でも、防災知識の普及や防災訓練に役立つような要素と楽しさを盛り込んだ要素とを兼ね備えた催し物を企画することが期待されます。防災訓練という名前では参加してもらえないような人たちにも、レクリエーションとして参加してもらえるような内容を考え、参加した人たちが実際に出番のあるようなイベントにするように心がけます。

防災イベントの企画と開催手順
防災イベントには、2つの開催方法があります。1つは、地域の運動会やお祭りの一部として行う方法で、もう1つは、防災運動会や防災キャンプのような独自のイベントを開催する方法です。防災運動会では、
●災害時を想定した障害物競争
●消火器使用競争
●バケツリレー競争(いくつかのチームに分かれ、離れた場所にある容器にリレーで水を運ぶ。一定の時間内にたくさん水を運んだチームの勝ち)
●担架競争、品物競争(紙に書いてある防災用品を持ってゴールする)
●防災スタンプラリー(主要ポイントをまわり、スタンプを集める)
などの種目が考えられます。

また、避難後のテント生活を想定した防災キャンプも、思い出深い、あとあとまで印象に残るイベントです。実際に炊飯したり、テントの中で一晩過ごしたりすることによって、どういうものが避難に必要で、避難生活ではどういうことが余儀なくされるのかを体験します。子供たちも一緒に参加すれば、貴重な体験になるでしょう。

防災キャンプ

2 防災にこだわらないアトラクションなども有効

これらのイベントは、関係機関の協力も得て万全を期します。子供の楽しめるようなゲーム性を取り入れ、防災活動にこだわらないアトラクション(カラオケ、娯楽映画、クイズなど)も入れて楽しくします。PTAなどとのタイアップを考えてもよいでしょう。イベントに参加しなかった層を中心に的をしぼって、次回のイベントの内容を検討することも大切です。

そのほか、軽スポーツや防火ゲームなどを講習会・講演会の際に取り入れたり、料理教室などを炊き出しなどの諸訓練とあわせて開催したりすることも、催し物を楽しくするうえで有効でしょう。また、小学校や中学校の総合学習などの時間を活用して、地域の婦人防火クラブも協力しながら、子供たちとともに活動したり学習したりする機会を設けることも今後ますます有効になってくるでしょう。婦人防火クラブの会合でも、親睦会や他地域との交歓会などを臨機応変に入れていくことで、メンバーの参加意欲は変わってくるものと思われます。