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2014年11月

2.火山災害に対する備え

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総務省消防庁 防災課

 日本には110の活火山があります。国内では平成12年の有珠山、三宅島の噴火以来、大きな人的・物的被害を伴う火山噴火は発生していませんでしたが、霧島山(新燃岳)が平成23年1月26日に本格的マグマ噴火を開始しました。また、平成26年8月3日に、鹿児島県の口永良部島で噴火が発生しました。この他、鹿児島県の桜島は定常的に噴火して火山灰を降らせています。

主な火山災害の要因

噴石:火口から放出される大きな岩や石である噴石は、あたると人や家屋に大きな被害をもたらすことがあります。降ってきた場合には岩かげや丈夫な建物に身をよせましょう。
火砕流:高温のガス・溶岩片・火山灰などが一団となって、高温・高速で斜面を流れ下る現象。通過した所では、家屋などがすべて焼き尽くされます。
土石流、火山泥流:火山灰が積もったところは水が地中にしみこみにくいため、雨が降ると土石流が発生したり、火口付近で噴火が起きると火山泥流が発生したりすることがあります。発生した場合には流れから遠ざかる方向へ逃げましょう。
火山灰:火山灰は噴火の大きさや上空の風の強さによっては1,000㎞以上も遠くまで飛んでいくことがあります。付着すると、農作物を枯らしたり、電線の切断や飛行機のエンジントラブルを引き起こしたりするなど、生活に大きな影響を与えます。
 この他、溶岩流や有毒な火山ガス、火山活動に伴う地震も火山災害をもたらす要因です。

噴火警報と噴火警戒レベル

 火山活動の状況と、取られるべき防災活動を知らせる情報に「噴火警報」と「噴火警戒レベル」があります。噴火警報は居住地域や火口周辺に影響が及ぶ噴火の発生が予想された場合に発表され、噴火警戒レベルは「避難」「避難準備」「入山規制」「火口周辺規制」など必要な防災活動をキーワードで示して警戒を呼びかけます。
 平成26年9月現在、口永良部島と桜島がレベル3(入山規制)、その他の火山はレベル2(火口周辺規制)または1(平常)となっています。仮にレベル4(避難準備)または5(避難)に引き上げられた場合には、火山周辺地域では居住地域も含めて、避難準備または避難という具体的な防災行動を迅速に取ることが強く望まれます。

火山災害から身を守るために

平成26年8月の口永良部島の噴火(福岡管区気象台 火山監視・情報センター提供)
平成26年8月の口永良部島の噴火
(福岡管区気象台 火山監視・情報センター提供)
 火山は、事前に噴火を予測できる場合がある一方で、ひとたび噴火すると、噴石・火砕流・泥流等が短時間で居住地域に襲来する可能性があります。このため、事前の迅速な避難が人的被害の有無を大きく左右します。
 このことから、火山災害から身を守るためには、まず、ハザードマップを見て危険な区域を確認しておくことです。最近では、各地の火山でハザードマップや防災マップが作られています。避難のポイントなども説明してあり、冷蔵庫やリビングの壁など見やすいところに貼っておき、いざというときに備えましょう。
 次に、避難する場所や連絡方法、役割分担を家族で確認しておきます。休日などを利用して、あらかじめ家族みんなで避難場所や避難経路を下見しておきましょう。
 そして、火山活動に大きな変化があった場合には「噴火警報」や市町村からの情報など、テレビ、ラジオ、防災行政無線、広報車などの情報に注意しましょう。市町村から避難の勧告や指示があった場合は、速やかにそれに従い、行動します。また特に危険な場所にいる人は、異常を感じたら避難勧告・指示を待たずに自主避難することも必要です。
 なお、火山活動は想定している過去の事例どおりに推移するとは限らず、同じ火山でも噴火に至る過程や火口の位置などが異なることも珍しくありません。様々な事態に臨機応変に対処できるよう、実践的な訓練を通して「安全のための行動」を身につけることが重要です。

(総務省消防庁「消防の動き 2014年10月号より」)

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