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2016年5月

1.平成27年(1月~9月)における火災の概要(概数)

目次次頁
総務省消防庁 防災情報室

1 総出火件数は、2万9,909件、前年同期より4,404件の減少

 平成27年(1月~9月)における総出火件数は、2万9,909件で、前年同期より4,404件減少(-12.8%)しています。
 これは、おおよそ1日あたり110件、13分ごとに1件の火災が発生したことになります。
 また、火災種別でみますと、次表のとおりです。

平成27年(1月~9月)における火災種別出火件数

種別件数構成比(%)前年同期比増減率(%)
建物火災16,65555.7%▲1,084-6.1%
車両火災3,12610.5%▲291-8.5%
林野火災9463.2%▲439-31.7%
船舶火災730.2%914.1%
航空機火災40.0%3300.0%
その他火災9,10530.4%▲2,602-22.2%
総火災件数29,909100%▲4,404-12.8%

2 総死者数は、1,166人、前年同期より37人の減少

 火災による総死者数は、1,166人で、前年同期より37人減少(-3.1%)しています。
 また、火災による負傷者は、4,841人で、前年同期より163人減少(-3.3%)しています。

3 住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)数は、679人、前年同期より18人の減少

 建物火災における死者908人のうち住宅(一般住宅、共同住宅及び併用住宅)火災における死者は、757人であり、さらにそこから放火自殺者等を除くと、679人で、前年同期より18人減少(-2.6%)しています。
 なお、建物火災の死者に占める住宅火災の死者の割合は、83.4%で、出火件数の割合54.3%と比較して非常に高いものとなっています。

4 住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)の7割が高齢者

 住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)679人のうち、65歳以上の高齢者は456人(67.2%)で、前年同期より21人減少(-4.4%)しています。
 また、住宅火災における死者の発生した経過別死者数を、前年同期と比較しますと、逃げ遅れ360人(24人の減・-6.3%)、着衣着火32人(13人の減・-28.9%)、出火後再進入12人(5人の増・+71.4%)、その他275人(14人の増・+5.4%)となっています。

5 出火原因の第1位は、「放火」、続いて「たばこ」

 総出火件数の2万9,909件を出火原因別にみると、「放火」2,929件(9.8%)、「たばこ」2,784件(9.3%)、「こんろ」2,591件(8.7%)、「放火の疑い」1,847件(6.2%)、「たき火」1,834件(6.1%)の順となっています。

6 住宅防火対策への取組

 住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)は、679人となっています。このうち65歳以上の高齢者は、456人(67.2%)で、約7割を占めています。
 平成16年の消防法改正により、住宅用火災警報器の設置が、新築住宅については平成18年6月から義務化され、既存住宅についても平成23年6月までに各市町村の条例に基づき全ての市町村において義務化されました。
 消防庁では、広報、普及・啓発活動として住宅防火防災推進シンポジウムを平成27年度は全国4ヵ所で開催したほか、住宅防火・防災キャンペーンや春・秋の全国火災予防運動等の機会をとらえ、報道機関や消防機関等と連携した普及啓発活動を行い、住宅用火災警報器のほか、防炎品、住宅用消火器等による総合的な住宅防火対策を推進しています。
 また、全国の消防本部等においても、「住宅用火災警報器設置対策会議」において決定された「住宅用火災警報器設置対策基本方針」を踏まえ、消防団、女性(婦人)防火クラブ及び自主防災組織等と協力して設置の徹底及び維持管理の促進のための各種取組を展開しています。

7 放火火災防止への取組

 放火及び放火の疑いによる火災の件数は、4,776件で、全火災の16.0%を占めており、依然として高い割合になっています。このため、消防庁では、「放火火災防止対策戦略プラン」(参照URL: http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList4_6.html)を活用し、目標の設定、現状分析、達成状況の評価というサイクルで地域全体の安心・安全な環境が確保されるような取組を継続的に行うことで、放火火災に対する地域の対応力を向上させることなどを推進しています。
 今後とも、放火火災防止対策戦略プランに基づき、ご近所の底力を活かして、「放火されない環境づくり」による安全で安心な暮らしの実現を目指していきます。

8 林野火災防止への取組

 林野火災の件数は、946件で、延べ焼損面積は約578haとなっています。
 例年、空気が乾燥する春先に林野火災が多発していることから、毎年1月頃に「林野火災に対する警戒の強化について」を各都道府県等へ発出し、入山者や林業関係者等に対する林野火災予防の徹底・警戒強化やヘリコプターによる空中消火の積極的な活用等について周知しています。
 また、毎年、林野庁と共同で火災予防意識の啓発を図り、予防対策強化等のため、春季全国火災予防運動期間中の3月1日から7日までを全国山火事予防運動の実施期間とし、様々な広報活動を通じて山火事の予防を呼びかけています。

(総務省消防庁「消防の動き」2016年4月号より)

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