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2017年11月

1.「女性パワーと地域防災力を語る集い」・応急手当普及啓発推進会議を開催

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一般財団法人日本防火・防災協会

-1日目―
【女性パワーと地域防災力を語る集い】

 平成29年10月5日(木)東京平河町のルポール麹町において、消防庁、当協会主催「女性パワーと地域防災力を語る集い」を各都道府県女性(婦人)防火クラブ連絡協議会会長及び副会長等役員総勢112名を迎えて開催いたしました。
 本大会は、平成25年12月成立の「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」の中で女性防火クラブが重要な存在として初めて法律に登場したことを受け、新たな決意のもと、全国の女性防火クラブの代表者が一堂に会し、日頃の活動の活性化と組織の普及を図ることを目的として開催されました。

『開会挨拶』


奥野総務副大臣による挨拶

秋本会長による挨拶

 はじめに、主催者挨拶では、公務のため欠席された野田総務大臣による主催者挨拶を奥野総務副大臣が代読されました。「今後多様化する大規模災害に対応するためには、自助・共助・公助の担い手が連携して地域防災力を高める必要があります。その中核となる女性防火クラブには、一段と大きな期待が寄せられております。総務省としても引き続き、女性防火クラブの活動を支援してまいります」と述べられました。
 続いて、日本防火・防災協会 秋本敏文会長より挨拶をいたしました。
「女性防火クラブが発足して50年が過ぎ、全国の幹部の方々が集まる機会を作りたいと常々考えておりました。本日『女性パワーと地域防災力を語る集い』と題して開催することができたこと、大変うれしく思っております。また、地域の防災力を高めるために女性の力が不可欠だと考えております。そのために今回皆様に発言していただけるようなシンポジウムを開催いたしますので、ご意見を頂ければと思っております。」

-講演-
『防災文化を支えるダイバーシティ』

宮崎氏による講演

 宮崎緑 千葉商科大学国際教養学部長より、心理学や統計学、環境問題等の観点から、大型化・多様化する災害について講演していただきました。
 現代社会に必要な文化が自然環境を超えてしまい、それが原因で自然災害が起きてしまう中で、私たちはどう対応すればいいのか。「女性だから行動するのではなく、能力があるから行動した人が女性だったといえる社会に進めていかなければならない」などと、講演されました。


天利 地域防災室室長
『地域防災力の充実強化』

 天利和紀 総務省消防庁地域防災室長より、最近の自然災害の被害状況。地域住民が一体となって活動している地域を挙げ、女性防火クラブ等の自主防災組織の重要性や、学校教育の大切さについて、また、消防団や自主防災組織に関する諸制度の解説や、教育訓練の制度、「防災まちづくり大賞」等について講演を行っていただきました。


『活動状況発表』
 「防火防災活動とクラブ運営」と題し、栃木県婦人防火クラブ連合会の木沢会長及び高知県女性防火クラブ連絡協議会の中野会長より、日頃地元で活動されている訓練や啓発活動等について発表していただきました。


木沢 会長

中野 会長

『シンポジウム』
 「女性パワーがいきるこれからの防火防災」と題し、秋本会長をコーディネーターにシンポジウムを開催しました。
パネリスト ・青山佳世(フリーアナウンサー、消防審議会委員) ・清原慶子(東京三鷹市長) ・田村圭子(新潟大学危機管理室教授)

パネリスト右から:秋本会長、青山氏、清原氏、田村氏


パネルディスカッションの様子

 シンポジウムでは、「女性パワーがいきるこれからの防火防災」と題し、女性の力を地域の防災にいかすために、具体的に何をすればいいのか、活動に当たりリーダーはどのように組織を運営すればいいのか等、パネリストと参加者とでディスカッションを行いました。
 参加者からは町内で初めて女性だけで防災訓練を始めた地域や、救急講習の受講者を各自治会に必ず一人以上設けるようにした地域、女性防火クラブ員が減っている地域では、訓練だけでなく楽しくクラブを続けられる施策をされている地域、当初は幼稚園生を対象とした防火防災活動に、独居高齢者も交えたことで地域が活気づいた例などが参加者から紹介されました。

-2日目―
【第18回応急手当普及啓発推進会議】
『(一財)救急振興財団 理事長による挨拶、救急講習会実施状況について』

佐々木 理事長

 第18回応急手当普及啓発推進会議として行われ、(一財)救急振興財団 佐々木敦朗 理事長よりご挨拶をいただきました。
 「救急振興財団が委託させていただいている応急手当講習の受講者が2千名を超える人数に達しております。皆様の地域における応急手当の普及啓発にご理解、ご協力いただきまして、ありがとうございます。近年、火災などの消防活動は減少傾向にありますが、救急の出動件数は増加しております。そんな中で消防機関が到着する前にまず応急手当をしていただく。これこそが人命を救う、まず一歩だと考えております。救急振興財団としても、定期的にテキスト等の改訂を進めておりますので、今後とも私どもの事業にご尽力賜りますようお願い申し上げます。」

続いて、平成29年度救急講習実施状況等について、
・和歌山県婦人防火クラブ連絡協議会 会長 山司 嘉代子 氏
・長崎県女性防火・防災クラブ連絡協議会 会長 松本 スミ子 氏
から発表をしていただきました。


山司 会長

松本 会長

-講演―
『救急業務の状況等について』


小久江 課長補佐

 総務省消防庁救急企画室 小久江賢一 課長補佐より、救急搬送と応急手当の状況や、蘇生法の変更点等について講演を行っていただきました。
 救急出動件数が年々増加しているなか、救急車の現場到着時間や病院収容までの時間が最長になっている問題、その中で一般市民が除細動を行った場合の生存率や社会復帰率の調査結果について、また年々改定される蘇生ガイドラインの変更点や、救急通報時のポイント等を、動画を交えて説明をしていただきました。

『閉会』
 最後に、(一財)日本防火・防災協会 西藤公司 理事長による閉会の挨拶では、日頃地域で活躍されている、全国の女性防火クラブ員の皆様へ感謝等を述べて2日間の会議を終了いたしました。


西藤理事長による閉会の挨拶

会場の様子

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