(平成29年7月九州北部豪雨災害)はじめに
我が国では毎年、台風や梅雨前線等の影響による多量の降雨があり、全国各地で洪水や土砂災害等の風水害による被害が発生しています。
平成29年7月九州北部豪雨災害では、猛烈な雨の影響で、特に福岡県朝倉市及び東峰村、大分県日田市など、九州北部を中心に、河川の氾濫、浸水害、土砂災害等が発生し、死者・行方不明者が40名以上に上がるなど、甚大な被害がもたらされました。
洪水
流域に降った多量の雨水が河川に流れ込み、特に堤防が決壊すると、大規模な洪水被害が発生します。
平常時には川遊びができるような穏やかな河川であっても、短時間で局地的に激しい雨が降り注ぐと、急激に増水して氾濫し、流域に甚大な被害をもたらす場合があり、実際に各地でそうした事例が発生しています。
土砂災害
土砂災害とは、大雨や地震などが引き金となり、山や崖が崩れたり、土砂が雨などの大量の水と混ざり合って一気に流れたりする自然災害で、すさまじい破壊力をもつ土砂が一瞬にして多くの人命や住宅などの財産を奪ってしまう恐ろしい災害です。
局地的な大雨による災害
気象庁によると、近年、雨の降り方が局地化、集中化、激甚化しており、中小河川の急な増水、地下空間やアンダーパス(※)の浸水等により、車が立ち往生したり、床上・床下浸水等の被害が生じる事例が多く発生しています。
「平成26年8月台風11号により浸水被害(高知県四万十町)」
(提供:内閣府)
※アンダーパス:交差する鉄道や他の道路などの下を通過するために掘り下げられている道路などの部分をいい、周囲の地面よりも低くなっているため、大雨の際に雨水が集中しやすい構造となっています。
早めの避難が命を救う
災害発生のおそれがある場合、居住者等の安全を考慮して、市町村から避難勧告等の避難に関する情報が伝達されます。避難勧告等が伝達された場合には、すぐに安全な場所に避難しましょう。
また、避難勧告等が伝達されていなくても、身の危険を感じた場合には、「自らの命は自らが守る」という心構えで、自発的に避難することが重要です。
都道府県や市町村では、防災訓練や防災に関する講演会等を定期的に実施しています。こうした訓練等にぜひ積極的に参加して、いざという時にとるべき行動などを今一度確認しましょう。
(総務省消防庁「消防の動き 2018年5月号より」)