1 はじめに
全国では毎年、非常に多くの方が熱中症により救急搬送されています。昨年は、5月から9月までの全国における熱中症による救急搬送人員の合計が71,029 人となり、調査開始以降、過去3番目に多い数値を記録しました。特に、記録的な暑さとなった6月の救急搬送者は、15,969 人と6月としては調査開始以降最も多くなりました。
熱中症は、正しい知識を身につけることで、未然に防ぐことができます。こまめな水分補給や、適切なエアコンの使用など、一人一人が熱中症予防を心がけていただくようお願いします。
また、熱中症の危険性が極めて高いと予測される日の前日夕方または当日早朝に「熱中症警戒アラート」が発表されます。アラート発表時は、外出を控えるなど、予防を徹底していただくようお願いします。
2 熱中症について
(1)熱中症のしくみ
熱中症は、温度や湿度が高い中で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れ、体温の調節機能が働かなくなり、立ちくらみ、頭痛、吐き気、ひどいときには、けいれんや意識をなくすなど、様々な障害をおこす症状のことをいい、最悪の場合は死に至ることがあります。
(2)子どもの特徴
子どもは、身長が低く、地面からの距離が近いため、地面の照り返しによって高い温度にさらされやすく、また汗をかくための汗腺が大人に比べると少なく、体温を調節する機能が未熟なため、熱中症にかかりやすいと言われています。
(3)高齢者の特徴
高齢者は、体温を下げるための体の反応が弱くなっているため、暑さを感じにくい、汗をかきにくい、喉の渇きを感じにくいといった特徴があるため、自覚がないのに、熱中症になる危険があります。
3 熱中症にならないために心がけること
熱中症になるのを防ぐために、以下の項目に心がけましょう。
4 熱中症予防啓発
消防庁では、熱中症予防のための様々な予防啓発コンテンツや熱中症搬送状況等の情報をホームページやツイッターなどで発信しています。
昨年度は、熱中症予防啓発の動画とポスターを作成しました。今年度も引き続き、全国の消防本部と連携を図りながら、予防啓発に努めていきたいと考えています。
5 おわりに
熱中症は正しい知識を身につけることで、未然に防ぐことが可能です。これから夏が近づいてきますので熱中症の予防に御協力をお願いします。
(総務省消防庁「消防の動き」2023年6月号より)