
大沢 博 消防庁長官 年頭の辞
令和8年の新春を迎えるに当たり、全国の消防関係者の皆様に謹んで年頭の御挨拶を申し上げます。皆様方には、平素から消防防災活動や消防関係業務などに御尽力いただいており、心から敬意を表し、深く感謝申し上げます。
昨年は、岩手県大船渡市や愛媛県今治市などにおける林野火災、8月以降は広域で線状降水帯による大雨や台風の被害、さらに11月には、大分市において大規模火災が発生するなど、日本各地で災害が相次ぎました。
お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々に心からお見舞い申し上げます。
災害現場においては、被災地の消防本部や地元消防団はもとより、被災状況によっては県内外の消防応援隊や緊急消防援助隊も総力を挙げて国民の生命、身体及び財産を守るため最前線での活動等に当たっていただきました。改めて皆様の御活躍・御尽力に敬意を表しますとともに、心から御礼申し上げます。
また、令和6年は救急出動件数、搬送人員ともに過去最多となり、令和7年は記録的な猛暑のため、熱中症患者の搬送も過去最多となりました。そうした過酷な救急の現場においても、日々、献身的に御対応いただいていますことに感謝申し上げます。
近年、災害が激甚化・頻発化しており、「南海トラフ地震」、「首都直下地震」などの発生が危惧される中、国民の生命、身体及び財産を守る消防の果たす役割は、より一層重要なものとなっています。
消防庁では、国民の皆様が引き続き安心して暮らせるように、緊急消防援助隊や常備消防、消防団の充実強化をはじめ、消防分野におけるDX・新技術の研究開発の推進などを柱とし、消防防災力の強化に取り組みます。
とりわけ、大規模災害対応の要である緊急消防援助隊については、創設から30年を迎え、今後発生が懸念される「南海トラフ地震」等の大規模災害に備えて、緊急消防援助隊出動の際に、情報収集・映像送信の任務を行う消防庁ヘリコプターを増機するとともに、令和4年度以来となる全国合同訓練の開催、緊急消防援助隊受援アドバイザーの派遣、緊急消防援助隊への救助技術の高度化及び普及を計画的に進めてまいります。
また、団員減少が危機的な状況にある消防団については、引き続き、装備や資機材の充実強化に取り組むとともに、女性や若者をはじめとする幅広い住民の消防団への入団を促進するため、モデル事業による支援、自治体等と連携した広報などを行い、消防団員の確保に全力を挙げてまいります。
さらに、消防分野におけるDX・新技術の研究開発の推進については、競争的研究費の拡充による、災害の検証結果を踏まえた緊急的な課題解決に資する研究開発の推進をはじめとし、消防の現場ニーズと企業等の技術シーズのマッチング促進、マイナ救急の全国展開・機能拡充や消防団におけるドローンの活用などを推進してまいります。
加えて、国民保護体制の整備に万全を期すため、消防庁では、沖縄県の先島5市町村のうち、竹富町、多良間村における特定臨時避難施設(シェルター)の整備を支援するほか、地方公共団体と連携した住民避難訓練の実施や避難施設の指定促進に取り組むとともに、Jアラートの新システムへの更改を進めてまいります。
皆様方におかれましては、国民が安心して暮らせる安全な地域づくりとそれを支える我が国の消防防災・危機管理体制の更なる発展のため、より一層の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、皆様の益々の御健勝と御発展を祈念いたしまして、年頭の挨拶とさせていただきます。




