トップページ日常活動編へ索引

5-3 避難誘導訓練の実際



避難誘導の際には、住民の間での避難施設や経路・地域の危険状況の把握・共有と、高齢者や子どもなどの災害時要援護者、けが人などを想定した訓練を盛り込むことがポイントとなります。そして自主防災会の役員等と連携した婦人防火クラブのリーダーは、いざというときに、最善の避難経路を選択し、また住民同士のすばやい協力体制づくりを促すことができるように実践的な訓練に取り組みましょう。

■避難誘導のポイント
避難誘導のポイント
○事前に地域の避難施設・経路、危険箇所などを把握しておく。
○早めの避難を促す。
○1人で避難することが困難な人の避難の手助けの方法を習得しておく。(高齢者、傷病者、視覚障害者、子どもなどの災害時要援護者)
○避難の際にできれば、通電火災などの発生防止措置を行うよう、各世帯に呼びかける。(ブレーカーを落とす、ガスの元栓を閉める)
○エレベーターは使わないよう呼びかける。(エレベーターに乗っていた場合はすべての階のボタンを押して最寄りの階で降りて階段で逃げる)
○徒歩で避難を行うようにする。車は使用しない。
○避難場所・避難経路は複数用意しておき、状況によって最も安全な選択を行う。
○非常持出品は、多すぎると避難に支障をきたすことを住民に伝えて、最小限のものを持ってもらうようにする。(安全な服装と当座の生活必需品)
○一次避難場所では人員を迅速に確認。不明の場合は手分けをして確認する。
○子ども・障害者・高齢者など、災害時要援護者を中心にして避難者がはぐれないよう注意する。
○途中、可能であればラジオなどから災害情報などを入手する。
○避難所に到着したら、人員を確認する。
○夜間・停電による、真っ暗な状態なども想定して訓練を行ってみる。

ポイント 災害の状況によって柔軟に対応を考える

地震
○地震による津波の危険性が高い海岸沿いの地域では、地震がおさまったらすぐに、一刻も早く高台などの安全な場所へ逃げる必要があります。「津波テンデンコ」(→「地震以外の主な災害とその特徴」参照)という三陸地方の災害伝承にもあるように、近隣で一緒に避難する余裕はありません。
○地震の際、高層のビルが連なる場所では、余震を含めてガラスなどの落下が続き、街路を歩くことが非常に危険な場合もあります。このような場合はあわてて外に避難せずに、まずは周囲の状況を把握し、できれば余震がおさまるのを待ちましょう。避難の際には必ずヘルメットやバッグなどで頭を守るようにします。
風水害
○洪水の中を歩く場合は、はだし・長靴は禁物です。ひもで結ぶ運動靴が望ましい。また、歩ける深さは、男性で約70cm、女性で約50cmです。水深が腰まであるようなら無理をせず、高所で救出を待ちましょう。