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5-4 訓練方法



避難誘導訓練は、災害が起こった際に、自主防災組織と連携した婦人防火クラブのリーダーが、住民のみなさんと実際に避難する状況を想定して、避難所までスムーズに移動できるよう、訓練するものです。津波の危険性がある地域は、近隣で集合することはせずに、個々人が一刻も早く安全な場所に避難する必要があります。下記の基本的な誘導訓練を参考にしつつ、地域災害特性・暮らしの実情に応じた訓練を組み立ててください。たとえば高齢化の進む東京の下町・荒川区西尾久地区では1時間で全町民避難を目標としており、アルミ製の軽量なリヤカーを用意し、高齢者などを運ぶ訓練を実施。さらに地元住民が特製のベルトを考案。いざというときはそれを使った「おんぶ隊」も活躍します。

1.訓練前に、避難誘導に必要な資機材(人員把握表、筆記具、旗、ロープ、メガホン、担架など)を準備する。
2.本部からの指示を受けて、メガホンなどにより避難指示と地区ごとの一次避難所を伝えて回る。この際、ブレーカーを落とす、ガスの元栓を閉める、という火災発生防止措置を行ってから避難することを必ず伝える。
3.一次避難場所では、人員の点呼、携行品や服装などの点検を行い、病人、負傷者、高齢者、子どもなどに分け、介護者を決めておく。
4.本部に連絡を入れて、避難場所の受け入れ準備完了の確認ができたら、消防団などの協力を得て、訓練参加者の前後に立ち、避難所まで誘導する。避難人員を把握し、要介護者の搬送も実際に行う。
5.避難途中では、事故防止に留意する。倒壊の危険のあるブロック壁などは避け、高齢者や子どもなどの災害時要援護者を列の中心にして、逃げ遅れる人が出ないように注意する。
6.避難場所に到着したら、点呼をとって全員の無事を確認し、本部に避難の完了を報告する。

訓練方法
●イメージトレーニング●
避難勧告が出ても「大切な家・田畑・家畜などを置いてはいけない」「今さら逃げるよりも、ここにとどまる」と、高齢者の方や農業従事者などにおいて、避難指示に従わない住民が出てくる可能性があります。どう対応しますか? たとえば、より親しい人なら避難するよう説得できますか?

ポイント 地域危険箇所・避難場所の把握と図上訓練

地域危険箇所・避難場所の把握と図上訓練

地域の危険箇所や避難所、避難経路、災害時要援護者の情報などを、いつでも共有できるように、まちを歩き、防災マップづくりを行いましょう。さらに、その防災マップを使った図上訓練などを積極的に行っておくと、実際の誘導訓練も、より一層実践的なものとなります。

■避難誘導に必要な情報の例

危険箇所、避難場所、安全な避難経路、過去に地域で起こった災害とその被害の状況、住民の住んでいる状況(災害時要援護者の数など) (→『日常活動編』「防災カルテ・防災地図の作製と防災点検」「地域防災カルテや防災地図にまとめておきたいこと」「防災巡視・点検のポイント」「防災マップと各種地図との統合」「簡易図上訓練の実施と訓練用被災シナリオ作成の方法」、本編「特集−図上訓練の活用−」参照)