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2009年12月

5.自主防災組織リーダー研修会開催〔京都、佐賀〕

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京都府府民生活部危機管理・防災課

 地域における自主防災組織活性化のために活躍できる人材の育成と組織づくりを積極的に推進できる人材の養成を目的に、(財)日本防火協会と京都府との共催で「平成21年度京都府自主防災組織リーダー研修会」を以下のとおり開催しました。
 【日程】平成21年11月7日(土)から8日(日)の2日間(1泊2日)
 【会場】龍谷大学セミナーハウスともいき荘(京都市上京区)

木村所長による「災害避難所事情」
 京都府では、平成21年4月に戦略的地震防災対策指針を策定し、平成30年度に自主防災組織の組織率を100%にすることを目標に自主防災組織の育成に努めています。今年は、京都府内において15名の犠牲者を出した平成16年台風23号災害、また、新潟・福島豪雨、新潟県中越地震から5年の節目、さらには、平成22年1月には阪神・淡路大震災から15年を迎えることから、その際に課題となった避難所をテーマとした研修を行いました。
 1日目は、府危機管理・防災課 今井真二課長の挨拶の後、(株)社会安全研究所の木村拓郎所長に「災害避難所事情」と題し講義をいただき、研修会が始まりました。新潟県中越地震や阪神・淡路大震災の避難所の写真などを交えて、避難所の現状や課題、避難所運営の心構えなどについてお話しいただきました。

毛布を使用してガウンづくり
 午後からは、日本赤十字社京都府支部から4人の講師を迎えて、避難所における高齢者生活支援講習に取り組みました。講師の前田ゆかり氏から被災した高齢者の心理や避難所での生活についての講義を受けた後、スーパーのレジ袋を使用したホットタオルの作り方や段ボール箱に大きめのゴミ袋をかぶせた足湯のしかたを学び、実技として床に座っている高齢者の立ち座りの支援のしかたや、毛布を使ったガウンの作り方を学びました。最後に避難所けあの実践として参加者全員で歌を合唱しました。
 次に、「地域の防災活動」と題し、京都市上京区で避難所運営マニュアルを作成された成逸学区自主防災会の牧本晴男会長を講師に迎え、自主防災会の概要や避難所運営マニュアルを作成された経緯、さらには防災訓練について講義をいただきました。電気をつけない夜間避難訓練や今年行われた避難所受付訓練、仮設トイレ設置訓練などについて説明を受け、引き続き、自主防災組織の訓練や運営について意見交換を行いました。


笠原事務局長による「自主防災組織の資機材」
 2日目は、京都地方気象台 北野昌寛予報官から「気象の見方について」講義を受けました。気象台が発表する防災気象情報の種類とその発表のタイミング、平成22年5月下旬頃を目途に実施される警報注意報の発表区域の変更(市町村単位で発表予定)などについて解説いただきました。
 次に、NPOコメリ災害対策センター 笠原治清事務局長から「自主防災組織の資機材」をテーマに講義をいただきました。NPOコメリ災害対策センターは新潟市に本社を置く(株)コメリの支援を受けて運営されていること、新潟県中越地震、新潟・福島豪雨、新潟中越沖地震等の際に県から支援要請のあった物資の内容の紹介があり、自主防災組織の方々が避難所から必要な物資を要請する方法として、その物資の使用目的、必要数量をはっきり記載するようアドバイスを受けました。
 その後、同センターの古澤氏から新潟・福島豪雨の際に、自宅が浸水被害を受けた体験談をうかがい、浸水により避難できなくなり、食料がなくなっていく体験や備蓄しておくべき物品等の助言をいただきました。


全員参加によるワークショップ
 午後からは京都大学防災研究所 牧紀男准教授を講師に迎え、「避難所運営・開設について考える」をテーマに、参加者、スタッフ全員参加によるワークショップを行いました。
6つのグループに分かれ、さらに2人1組となって避難所での受付名簿を作成する体験や各グループ内で避難所リーダー、必要な班編制、その班の用務について検討を行い、最後にグループの代表から検討結果の発表が行われました。

 修了式では、(財)日本防火協会の佐藤幸男課長から修了証が手渡され、2日間の研修を終えました。
 本研修会では、講義をはじめ、実技、交流会、ワークショップを通じて、自主防災組織のリーダー同士の話し合い、交流する場を設けました。自主防災組織リーダーの皆様が、本研修の成果を今後の地域での活動に生かしていただくとともに、災害に備えて、行政や学校等の施設管理者などと連携して地域防災力の向上に取り組んでいただくことを期待しています。

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佐賀県 統括本部 消防防災課

 防災に関する意識、知識、技能を身につけた地域防災のリーダーを養成し、地域防災力の質の向上を図り、地域の自主防災組織の設立や活動の活性化を促進するため、(財)日本防火協会と佐賀県との共催で「平成21年度佐賀県自主防災組織リーダー研修会」を開催しました。
【日程】平成21年11月14日(土)から15日(日)の2日間
【会場】佐賀県嬉野市中央公民館(嬉野市)
 当日は、新型インフルエンザの影響も懸念されましたので、その対策も講じながら、2日間の研修を実施しました。
 研修には、地域の自治会の方々や消防団など近隣地域から63名の方々が参加し、熱い議論が交わされました。特に、ここ嬉野市は、7月の中国・九州北部豪雨で人的被害を受けた県内唯一の地域ということもあって、研修全体を通して、活発な議論がなされ、防災意識の高さを垣間見ることができました。
 また、2日間を有効に活用するため、昼休み時には、防災に関する様々なDVDの上映を行い、会場内には、地域の災害の特性をイメージさせる資料を常時展示するなど地元、嬉野市と工夫しながら開催しました。


災害時の写真を多数展示

昭和37年の災害報道記事

 1日目は、地域の防災リーダーとして最低限必要な防災情報を座学スタイルで講義し、2日目は、前日の情報を糧に受講者自らが参加してグループ討議する実習スタイルとしました。
【1日目】
「災害ボランテイアについて」
 佐賀県社会福祉協議会まちづくり課福田功係長から、全国各地で起こった過去の主な災害の紹介、その際、ボランテイアがどういう活動を行ったか?災害時のボランテイア活動の心得などを新聞記事や写真を交え、紹介されました。

熱心に聞き入る受講者の皆さん
「防災気象情報」
 佐賀地方気象台防災業務課田代知二水害対策気象官から、「防災気象情報の活用 ~気象災害から身を守るために~」と題して、水害、風害、土砂災害などの気象災害の特徴、気象情報発表の流れ、また地域に絞った内容として、嬉野市の気象の特徴などが紹介されました。
「自主防災組織の活動事例」
 お2方から自主防災会の活動事例を紹介していただきました。
 1人目は、地元の紹介事例として、塩田町布手区の峰松直樹区長から自主防災組織立ち上げのきっかけと実働の問題点を分かりやすく紹介されました。
 2人目は、別の地域の事例として、佐賀市西城内自主防災会の長尾須美子会長から、自主防災会設立の経緯、問題点の整理、会の重点目標、定期的なコミュニケーションづくりなどを紹介されました。
「浸水対策・土砂災害対策」
 佐賀県河川砂防課の白武秀夫主幹から、「河川における水難事故」と「土砂災害」について、地域の災害の特徴を踏まえ、DVDを交え、分かりやすく紹介されました。
「火災と防火対策」
 杵藤地区広域市町村圏組合消防本部嬉野消防署織田栄司係長から、火災の現象、火災を防ぐための心構え、火災に備えて家庭に用意したい物など現物を交え、紹介されました。

【2日目】
佐賀県の防災対策」
 佐賀県消防防災課松尾剛勇主査が、佐賀県の防災体制、佐賀県の災害の特徴・災害事例、佐賀県の防災への取り組みなどを紹介しました。特に、平常時からの予防策が重要であることから、「居住地域で、過去にどういう災害が発生したか」資料の閲覧や体験者への聴取などで災害をイメージ化し、地域で共有することの大事さを紹介しました。
「嬉野市の取り組み」
 嬉野市総務課團浩副課長から、「地域で備える災害時要援護者支援について」と題して、災害時要援護者支援の目的、対象者の把握、避難支援計画の概要などが紹介されました。

災害図上訓練中
「災害図上演習(DIG)」
 山口大学の瀧本浩一准教授による災害図上訓練(DIG)を行いました。訓練開始前に地域防災に災害図上訓練DIGの位置付け、災害図上訓練DIGの思想、DIGを含めた防災研修を行う上での注意点などが説明された後、実習に入りました。実習では、より実態に即した内容とするため居住地域毎でグループ編成し、土砂、洪水など地域の災害の特徴を想定したハザードマップを準備し、地図への書き込み、模造紙へのまとめ、最後にグループ発表を行いました。演習中は、先生のジョークを交えた巧みな話術に至る所で笑い声が出ていました。

【修了式】
 修了式では、佐賀県統括本部消防防災課の岩永正喜副課長が挨拶を行った後、(財)日本防火協会の佐藤幸男課長から修了証と記念品が手渡され、2日間の研修を終えました。
 
終了後のアンケート調査結果では、
○防災に無関心だった自分に気づいた。
○防災に対する意識付け、動機付けに役立つ講座。こういうきっかけが必要。
○地域でも自主防災組織を立ち上げた。平常時活動をいかに充実させるかが課題であったが、講座に参加し、多くのことを学んだ。情報の収集源、DIGという実働のための演習等大きな意義があった。共助を充実させ、自助、公助の充実を図ることを念頭に今後の取り組みを充実させたい。
など、全体の約65%が趣旨に賛同の意見が出るなど、受講者の動機付けの一助となる研修となりました。今後、参加された方々がこの研修で学ばれたことを各地域の自主防災活動に活かしていただくとともに、自主防災組織の組織づくりに寄与されるなど、研修の目的が達成されることを期待しています。

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