活動の目的
正院町は、石川県珠洲市の東部地域に位置し、その北側の山岳から海に流れる二本の河川により、田畑を潤し、海・平野・山岳と豊かな自然に恵まれている。
また、町を東西に走る県道沿いの海岸線を中心に、住宅街が広がっており、町内の世帯数は、681世帯、人口は1,705人となっている。
正院地区自主防災組織では、積極的に住民同士の協力を図り、万一の災害時には、自分たちの地域を、自分たちで守れるように防災活動に取り組んでいる。
活動内容
正院地区自主防災組織は、会長の下、長浜(5区長)・耕道(4区長)・羽黒(2区長)・黒滝平床(4区長)・古塚(3区長)の5部落(18区長)が主体となって設置されている。
平成24年9月30日には、珠洲市総合防災訓練が行われ、正院地区自主防災組織に於いても防災津波避難訓練を実施し、562名の住民が参加して防災意識を高めた。
津波ハザードマップ
この地区は、平成5年2月7日発生した能登半島沖地震や、平成7年8月の豪雨出水、平成13年1月の大雪等の災害発生時には、当地区に対策本部を立ち上げ減災につなげる等、防災に関する意識が非常に高く、平成9年1月のロシアタンカー重油流出災害の際には、多数の住民がボランティアとして参加し、油にまみれながら汗を流し、郷土の海岸線の再生に向けた活躍を残している。
また、平成23年3月11日に発生した東日本大震災を受け、平成23年5月7日から6月19日までの間、本市指定の津波来襲一時避難場所である(正院地区)殿山を自主的に整備した。
山林の所有者のご理解から、自主防災組織をはじめ、消防団・各ボランティア団体・青年団・PTA等、住民の有志200名以上が参加し、それぞれの経験や職業を生かし、木を伐採して避難路を拡幅したり、登坂に枕木や砂利を敷設、手すりを設置した外、登り下りしやすいようにコンクリートにより固め、避難路や避難場所の整備を施し、津波からの避難に備えるものとした。
正院殿山整備
今後の取組
珠州市 災害に対する心得 正院地区自主防災組織の防災津波避難訓練は、2ケ所の津波一時避難場所に住民が避難を実施したが、その内1ヶ所の避難場所では、避難路の整備や手すりの設置等の要望があり、今後、整備を進めていきたい。
また、今回の訓練は、津波のみの避難訓練だけではなく、海から離れた山間部や高台地区に対しても、地震による各種災害、台風・豪雨による災害等、多種多様な天災・人災を想定して訓練を実施した。
今後も、ある日突然起こり得る災害に備え、正院地区自主防災組織は、住民一人一人が安全に避難出来るよう活動していきたい。
総務省消防庁「消防の動き」2013年6月号より