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2018年5月

1.平成29年(1月~9月)における火災の概要(概数)

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総務省消防庁 防災情報室

総出火件数は、30,651件、前年同期より2,074件の増加

 平成29年(1月~9月)における総出火件数は、30,651件で、前年同期より2,074件増加(+7.3%)しています。
 これは、おおよそ1日あたり112件、13分ごとに1件の火災が発生したことになります。
 また、火災種別でみますと、次表のとおりです。

平成29年(1月~9月)における火災種別出火件数

種別件数 構成比(%)前年同期比 増減率(%)
建物火災15,958 52.1%1821.2%
車両火災2,9049.5% ▲99-3.3%
林野火災1,160 3.8%20121.0%
船舶火災500.2%▲6 -10.7%
航空機火災30.0% 00.0%
その他火災10,576 34.5%1,79620.5%
総火災件数 30,651100%2,0747.3%

総死者数は、1,081人、前年同期より39人の増加

 火災による総死者数は、1,081人で、前年同期より39人増加(+3.7%)しています。
 また、火災による負傷者は、4,470人で、前年同期より11人増加(+0.2%)しています。

住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)数は、646人、前年同期より16人の増加

 建物火災における死者820人のうち住宅(一般住宅、共同住宅及び併用住宅)火災における死者は、715人であり、更にそこから放火自殺者等を除くと、646人で、前年同期より16人増加(+2.5%)しています。
 なお、建物火災の死者に占める住宅火災の死者の割合は、87.2%で、出火件数の割合52.7%と比較して非常に高いものとなっています。

住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)の約7割が高齢者

 住宅火災による死者(放火自殺者等を除く。)646人のうち、65歳以上の高齢者は453人(70.1%)で、前年同期より21人増加(+4.9%)しています。
 また、住宅火災における死者の発生した経過別死者数を、前年同期と比較しますと、逃げ遅れ320人(15人の増・+4.9%)、 着衣着火28人(5人の増・+21.7%)、出火後再進入8人(3人の減・-27.3%)、その他290人(1人の減・-0.3%)となっています。

出火原因の第1位は、「たばこ」、続いて「放火」

 総出火件数の30,651件を出火原因別にみると、「たばこ」2,930件(9.6%)、 「放火」2,642件(8.6%)、「たき火」2,478件(8.1%)、「こんろ」2,190件(7.1%)、「放火の疑い」1,825件(6.0%)の順となっています。

住宅防火対策への取組

 平成16年の消防法改正により、住宅用火災警報器の設置が、新築住宅については平成18年6月から義務化され、既存住宅についても平成23年6月までに各市町村の条例に基づき全ての市町村において義務化されました。
 消防庁では、広報、普及・啓発活動として住宅防火防災推進シンポジウムを平成28年度は全国4か所で開催したほか、 住宅防火・防災キャンペーンや春・秋の全国火災予防運動等の機会を捉え、報道機関や消防機関等と連携し、 特に住宅用火災警報器の点検・交換などの維持管理の重要性について普及啓発活動を行ったほか、防炎品、住宅用消火器等による総合的な住宅防火対策を推進しています。
 また、全国の消防本部等においても、「住宅用火災警報器設置対策会議」において決定された「住宅用火災警報器設置対策基本方針」を踏まえ、 消防団、女性(婦人)防火クラブ及び自主防災組織等と協力して設置の徹底及び維持管理の促進のための各種取組を展開しています。

放火火災防止への取組

 放火及び放火の疑いによる火災は、4,467件、総火災件数の14.6%を占めています。
 消防庁では、「放火火災防止対策戦略プラン」(参照 http://www.fdma.go.jp/neuter/topics/fieldList4_6.html)を活用し、 目標の設定、現状分析、達成状況の評価というサイクルで地域全体の安心・安全な環境が確保されるような取組を継続的に行うことで、放火火災に対する地域の対応力を向上させることなどを推進しています。

林野火災防止への取組

 林野火災の件数は、1,160件で、前年より201件増加(+21.0%)し、延べ焼損面積は約1,097haで、前年同期より737ha増加(+204.7%)しています。  例年、空気が乾燥する春先に林野火災が多発していることから、毎年、林野庁と共同で火災予防意識の啓発を図り、予防対策強化等のため、 春季全国火災予防運動期間中の3月1日から7日までを全国山火事予防運動の実施期間とし、平成29年は「火の用心 森から聞こえる ありがとう」という統一標語の下、 様々な広報活動を通じて山火事の予防を呼び掛けました。

(総務省消防庁「消防の動き 2018年4月号より」)

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