火山災害に対する備え
火山には、周辺地域において風光明媚な景観を呈し、生活を豊かにする面がある一方で、一たび噴火すると甚大な被害をもたらすことがあります。火山と共生していくためには、火山に対する正しい知識を持ったうえで、火山災害に関する情報を活用し、的確な防災行動をとることが重要です。
弥陀ヶ原火山の火山湖
平成27年5月の口永良部島の噴火の状況
(気象庁ホームページより)
火山災害に関する情報を知る
○火山防災マップ
各火山の噴火活動の特徴や地理的特徴を踏まえて、噴火の影響が及ぶ範囲等を地図に示した火山ハザードマップ上に防災上必要な情報を記載した「火山防災マップ」などを事前に確認し、いざというときに備えましょう。
○噴火速報
噴火速報例文(気象庁ホームページより) 登山者や周辺住民等に、火山が噴火したことを端的にいち早く伝えることにより、身を守る行動を取ってもらうための情報です。平成27年8月4日から運用が開始され、同年9月14日の阿蘇山の噴火の際、初めて発表されました。気象庁ホームページのほか、テレビ、ラジオ、各種防災アプリなどで知ることができます。なお、平成28年3月29日からは全国瞬時警報システム(Jアラート)でも配信しています。
○噴火警報
噴火警戒レベル(気象庁ホームページより)
生命に危険を及ぼす火山現象の発生や危険が及ぶ範囲の拡大が予想される場合に、「警戒が必要な範囲」(生命に危険を及ぼす範囲)が、「火口周辺」や「居住地域」等と明示して発表されます。
火山災害から身を守るために
火山は、事前に噴火を予測できる場合がある一方で、一たび噴火すると、噴石・火砕流・泥流等が短時間で火口周辺や居住地域まで襲来する可能性があります。このため、事前の備え、迅速な避難が人的被害の大きさを左右します。最新の火山災害に関する情報を事前に確認し、いざというときに備えましょう。
また、地鳴りや地震を感じたときなど、危険な兆候が見られた場合には、市町村からの避難勧告等の発令を待たず、直ちに安全行動をとることも重要です。特に、噴石から身を守る必要がある状況では、速やかに岩かげに身を隠す、近くのシェルターや山小屋等に避難する等の行動が有効です。
(総務省消防庁「消防の動き 2018年10月号より」)