電気器具等は日常生活において欠かすことのできないものですが、使用者の不注意や誤った方法により使用した場合は、火災につながるおそれがあります。
建物火災における主な出火原因
令和元年中の建物火災の件数は、20,915件となっており、そのうち電気器具等(電気機器、配線器具、電灯電話等の配線、電気装置)に起因する火災件数は3,896件で建物火災全体の約19%を占めています。
※上記件数については、概数値です。
電気器具等を使用する際には、次のことに注意しましょう。
1. 点検の実施
扇風機や電気ストーブなどの季節を限定して使用する電気器具等は、毎年使用する前に必ず点検をしましょう。また、使用中に普段と違った音や動きに気づいたときは、すぐに使用を止め、コンセントから差込プラグを抜いて、専門の業者に点検をしてもらいましょう。
2. 正しい使用
電気ストーブで洗濯物を乾かしている時に、洗濯物が電気ストーブの上に落ちて火災につながるなど、電気器具等を本来の目的以外で使用すると、意図しない火災の原因となる恐れがあります。
使用に際しては、取扱説明書をよく読み、その機能を十分に理解し正しく使用しましょう。
使用後はすぐにスイッチを
切りプラグをコンセントから
抜く習慣をつけましょう。
3. 使用しない時は・・・
アイロンやヘアードライヤーなどは、スイッチを切り忘れたまま放置しておくと火災の原因となります。電気器具等を使用しないときは、スイッチを切るだけでなく差込プラグをコンセントから抜いておきましょう。
たこ足配線はやめましょう!
4. 危険なたこ足配線
現在では、家電製品やOA機器の普及により、数多くの電気器具等が使用されるようになりました。このため、使用する電気器具等に対しコンセントが不足し、たこ足配線になる傾向があります。
コンセント自体が過熱し、火災の原因となるため、コンセントの電気の許容量を超えて使用するたこ足配線は絶対にやめましょう。
トラッキング火災の様子。
5.コンセントの清掃
コンセントに差込プラグを長期間差し込んだ状態にしておくと、コンセントと差込プラグの間にほこり等が付着し、付着したほこり等に湿気が帯び、通電することにより火災になることがあります(トラッキング火災)。
差込プラグに付着したほこり等を定期的に取り除くようにしましょう。
コードを束ねて使うのは
やめましょう。
6.危険な状態のコード
コードを傷んだ状態や束ねた状態、重い荷物が乗った状態で使用すると、断線して出火する可能性がありますので大変危険です。
傷んだコードは早めに交換し、重い物を乗せたり、束ねた状態での使用はやめましょう。
【電気器具等の火災を防ぐポイント】
1.必要に応じて点検を実施する。
2.電気器具等は、正しく使用する。
3.使用しないときには、コンセントから抜く。
4.危険なたこ足配線はしない。
5.差込プラグに付着したほこり等は取り除く。
6.傷んだコードは使用しない。
(総務省消防庁「消防の動き」2020年8月号より)