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2023年10月

2. 火山災害に対する備え-総務省消防庁

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総務省消防庁 防災課


弥陀ヶ原火山の火山湖
 火山には、周辺地域において風光明媚な景観を呈し、生活を豊かにする面がある一方で、一たび噴火すると甚大な被害をもたらす面があります。日本にある111 活火山の中で特に49 火山の周辺地域(23 都道県)は火山災害警戒地域に指定されています。



火山災害に関する情報を知る


火山防災マップ
 火山防災マップは、各火山の噴火活動の特徴や地理的特徴を踏まえて、噴火の影響が及ぶ範囲等を地図に示した火山ハザードマップ上に、避難対象地域・避難先等、防災上必要な情報を掲載したものです。事前に各自治体のホームページ等で確認し、いざというときに備えましょう。
御嶽山火山防災マップ (岐阜県ホームページより)





















噴火警報レベル
 噴火警戒レベルは、「警戒が必要な範囲」と防災機関や住民等の「とるべき防災対応」をレベル1から5の5段階に区分した指標です。
 噴火警戒レベルは火山の活動状況に応じ、気象庁から発表されます。中でも、レベル4または5が発表された場合は、居住地域にも影響があるため、市町村から避難情報が発令されます。実際に、令和4年7月24 日、鹿児島県の桜島で発生した噴火では、一時、噴火警戒レベル5「避難」が発表され、一部の市町村は避難指示を発令しました。
 噴火が起きる前から火山防災マップと合わせて噴火警戒レベルを確認し、実際に噴火が起きた時の避難行動をシミュレーションしてみましょう。

気象庁ホームページURL
https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/kaisetsu/level_toha/level_toha.htm


噴火警戒レベル(気象庁ホームページより)



火山災害から身を守るために

 噴気などの異常現象を発見した時など、危険な兆候が見られた場合には、市町村からの避難情報の発令を待たず、直ちに安全行動をとることも重要です。特に、噴石から身を守る必要がある状況では、速やかに近くのシェルターや山小屋等に避難する、岩かげに身を隠す等の行動が有効です。
※発見者の通報義務
災害が発生するおそれがある異常な現象を発見した者は市町村長や警察官等に通報しなければなりません。


活火山対策に係る財政支援について

 自治体においては、具体的な火山現象を想定した避難の在り方の検討や、噴石から登山者等の身の安全を確保するための安全な強度を持つ退避壕・退避舎の整備等が求められます。
 こうした取組を支援できるよう、消防庁では自治体が行う退避壕・退避舎等の新設、改修に係る費用に対して「消防防災施設整備費補助金」や「緊急防災・減災事業債」による財政支援を実施しているほか、民間事業者が行う山小屋等を活用した退避施設の整備に係る費用についても、自治体が補助する場合について、その補助額の一部を補助しています。


活火山対策特別措置法の改正について

 近年、富士山の市街地近くで新たな火口が発見されたこと等により、想定される火口の範囲の拡大や桜島での大規模噴火の可能性が指摘されるなど、火山活動が活発化した際の備えが急務となっています。このような状況を鑑み、噴火災害が発生する前の予防的な観点から活動火山対策の更なる強化を図るため、令和5年6月に活火山対策特別措置法が改正され、以下の内容が盛り込まれました(令和6年4月1日施行)。

  • 避難確保計画の作成等に係る市町村長による援助等

  • 登山の期日、経路等の情報の提供を容易にするための配慮等

  • 情報通信技術の活用等を通じた、火山現象の発生時における住民や登山者等への迅速かつ的確な情報の伝達等

  • 火山現象に関し専門的な知識又は技術を有する人材の育成及び継続的な確保等

  • 文部科学省に火山調査研究推進本部(火山に関する観測、測量、調査及び研究を一元的に推進する機関)の設置

  • 火山防災の日(8月26 日)の制定

  • 最新の科学的知見等を勘案した、活火山対策の在り方についての検討等


(総務省消防庁「消防の動き」2023年9月号より)


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